世界最大の農業機械ブランド、ジョンディア(John Deere)は、同社の農業向け管理プラットフォーム「Operations Center」にAIアシスタント「JD」を統合すると発表しました。
農家が長年にわたって蓄積してきたフィールドデータや機械データに対し、会話形式で問い合わせができる新機能です。現時点では米国の一部農業ユーザーを対象とした限定的な早期アクセスプログラムが開始されており、今年後半に広く提供される予定です。
先進的な農業機械は、すでに膨大なデータを収集することが可能になっていますが、そのデータやレポートをどのように見極め、意思決定に活かしていくかは農家自身が考える必要があり、しかもそれはなかなか簡単にできることではありませんでした。
その難しい部分をこなすのがJDの役割と言うことになります。ジョンディアは、10年以上にわたって農家に農業管理プラットフォーム「John Deere Operations Center」を提供しています。このソフトウェアは、フィールド情報、機械の稼働状況、作業記録などを一元管理するものですが、JDはこのプラットフォームにAIチャットボット機能として組み込まれます。

農家は「耕起作業(トラクターで耕す作業)の燃料消費量は過去3年と比べてどうか」「フィールドごとにプランターの播種精度(種まき後の種苗の育ち具合)はどう違ったか」「どのスプレーヤーオペレーターが1時間あたりの作業面積が最も多かったか」「過去の傾向から収穫開始はいつが適切か」「去年と比べて燃料消費はどう変わったか」といった、知りたいことを自然な言葉で投げかけるだけで、JDがその農場のデータに基づいた回答を生成し答えます。
同社によれば、農家は自分の農場データを管理し、第三者への提供の意思決定をを自ら行えるとしています。また会社として機械性能の改善や意思決定支援のために農場データや匿名化・集計されたデータを活用する場合はあるものの、顧客の農場データを販売したり、農産物の商品取引や投機に利用したりしないことも明示しています。
同社のワールドワイド農業・芝生部門担当プレジデントのディアナ・コバー氏は「農家がデータから価値を得るには、コントロール、透明性、選択肢が伴うべきだ」と述べ、「JDとFarmer Data Commitmentは、農家が自分の条件でデータを活用できるよう支援するという一貫したビジョンに則ったものだ」としています。
なお、発表時点では、米国の一部農業顧客を対象とした限定的なJDは早期アクセスとしての提供に留まります。とはいえ今年後半にはWebおよびモバイルデバイス向けのOperations Centerを通じて広く提供する予定としており、さらに将来的には、農業機械の運転席に搭載されるディスプレイからのアクセスにも順次対応していくとしました。
ジョンディアは、同様のAI機能を農業以外にも展開する事も計画しており、芝管理、建設、道路建設、林業向けの顧客への対応も予定しているとのことです。



