Anthropicが新たなAIモデル「Claude Fable 5.1」の提供を開始しました。サイバーセキュリティ等の制限を緩和した上位版「Claude Mythos 5.1」も一部のパートナー組織に提供します。
Anthropicいわく、Fable 5.1は「もっとも先進的なコーディング・知識労働向けモデル」。科学研究でFable 5やOpus 5にダブルスコアの高性能を示すなど各分野で性能を向上しつつ、トークン効率の改善とAPIの値下げでコストパフォーマンスも向上しました。
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またFable 5で頻発した、サイバー攻撃やテロ等の準備と判定される率も大きく改善しています。
Fable 5.1はClaude チャット・Claude Code等ですでにモデル選択できるほか、APIおよびAmazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure経由でも利用可能です。
■ 科学研究で飛躍、全般にコスパ向上

Claude Fable 5.1とMythos 5.1の特徴は、
・科学研究分野で大幅な性能向上。ベンチマークは前世代の2倍超
・一般的なコーディングや知識作業では、MAXどうしの比較ではFable 5やOpus 5からおおむね数ポイント向上。
・キャッシュ読み出し料金が75%値下げ。典型的な用途ではコスト約25%減、キャッシュが効きやすいエージェント用途では最大約45%減
・価格性能比が向上。複数のベンチマークで、エフォートを「medium」に設定しても前世代の「high」を上回るスコアかつ半分以下の費用など
・安全機構の精度向上。Claude Codeでのサイバーセキュリティ関連の介入は平均約60%減、初等的な生物学や医療の質問での誤検知は85%減少
・脆弱性の発見に利用可能に。誤判定の低減だけでなく、分類方針も改良。ただしエクスプロイト開発や侵入テストは引き続き制限対象。

■ 科学研究以外はOpus 5比で小幅向上、誤判定は大幅減少
Anthropicによれば、Fable 5.1は科学研究分野のベンチマーク「Terminal-Bench-Science 0.1」で52.6%のスコアを記録しました。前世代のFable 5は24.7%で、2倍を上回る伸びです。主力モデルであるOpus 5の29.0%と比べても、20ポイント以上の差がついています。
一方、他の主要ベンチマークではそこまで大きな差はなく、誤差程度の結果も。エージェント型のコーディング作業を測る「Terminal-Bench 4.0」でFable 5.1は55.8%を記録しましたが、Opus 5の52.3%との差は3.5ポイントしかありません。

知識労働を含む総合的な能力ベンチの「Humanity's Last Exam」(ツール使用時)では65.0%対63.6%と、わずか1.4ポイントの差。現在の主力であるOpus 5は、格上であるFableに匹敵または部分的に上回る性能を備えていますが、日常的なコーディングや知識作業では、Fable 5.1はOpus 5から数ポイント程度の性能向上です。
なお、これらのスコアはAnthropicが最も計算資源を投じた「max」エフォート設定での計測。Claude Codeでの既定設定は「High」、Claude CoworkやClaude.aiでの既定は「Medium」であり、通常利用でこの数値がそのまま再現されるわけではありません。
■価格は最大45%減、効率化とキャッシュ値下げ
Fable 5.1の入出力トークン単価は100万トークンあたり10ドル・50ドルで、Fable 5から据え置き。値下げされたのはキャッシュ読み出し料金で、100万トークンあたり1.00ドルから0.25ドルへと75%安くなりました。
Anthropicの計測によれば、一般的な利用ではコストが約25%減、文脈を繰り返し参照するエージェント的な用途では最大約45%減少します。

アーリーアクセス対象となった企業の証言ではトークン効率自体の向上を挙げる声も多く、キャッシュ値下げと効率化の双方によって価格性能比が向上しています。
上記のベンチマークでも、コーディング系ではFable 5.1がMedium設定でFable 5のHigh設定を上回り、かつ費用は半分以下といった例があります。
■ 脆弱性の発見にも利用可能に。誤検知が減少
Mythos と Fable の関係は、簡単にいえばMythosが危険な用途にも使えるフル機能版、Fableが機能制限版。
Mythosが脆弱性の発見やエクスプロイトの作成などに高い能力を示し、サイバー犯罪やテロに利用される懸念が高かったため、Mythos は審査を経た一部の組織のみに公開、かわりにFableは危険性があると判定したタスクは拒絶または下位モデルに投げるセーフガードつきで一般公開されてきました。
しかしFable 5ではこのセーフガード / 分類器の判定が厳しく、危険性のないタスクでも誤判定される例が多発していました。
Anthropic はFable 5.1のサイバーセキュリティ関連セーフガードについて、Claude Codeでの介入回数がFable 5比で平均約60%減ったとしています。
あわせて、ソフトウエアの脆弱性を発見する用途での利用を新たに許可しました。ただしエクスプロイトの開発、侵入テスト、バイナリ解析による脆弱性スキャンなどは、引き続きOpusモデルに転送される仕様です。
生物学分野の安全対策についても、初等的な生物学・医療関連の質問での誤検知が、Fable 5公開当初のセーフガード比で85%減ったとしています。この改善はFable 5.1だけでなく、現行のFable 5にも適用されているとのことです。

なお今回公開されたコーディング系ベンチマークでは、Terminal-Bench 4.0ではMythos 5.1が60.9%、Fable 5.1が55.8%など、Mythos 5.1がFable 5.1を上回る結果も出ています。
Anthropic によれば、この差はFable 5.1では拒絶またはOpusに回されるタスクでも、Mythos 5.1ならば解けるため。この差はベンチマーク時点のもので、今後セーフガードが改善されることで縮まる見込みです。
■ 即日利用可能。サブスクのリセットも実施
Fable 5.1は、API、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure経由で即日利用可能です。開発者はAPIでモデルID「claude-fable-5-1」を指定して利用できます。価格は100万トークンあたり入力10ドル・出力50ドルで、Fable 5と同一です。
上位版のMythos 5.1は、サイバーセキュリティと生命科学分野の専門家向けの審査制プログラムを通じて提供され、現時点では米国内の一部組織に限られます。同日、脆弱性スキャンサービス「Claude Security」もMythos 5.1を基盤とする形に更新されました。
Mythos 5.1 / Fable 5.1の発表・提供にあわせて、恒例のサブスクプラン使用量リセットも実施しています。Fable 5.1 はMaxおよび同等以上のエンタープライズ向けプランならば、使用量の半分までサブスク範囲内で利用可能。ユーザーによってリセットのタイミングは異なりますが、Fable 5.1を試運転する機会です。
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