米OpenAIが新モデルファミリー「GPT-5.6」の一般提供を開始しました。話題の競合モデル「Claude Fable 5」を上回るというベンチマーク結果と、大幅に低いコストをアピールしています。
事前の予告どおり、GPT-5.6はフラッグシップの「Sol」、バランス型の「Terra」、最も低価格な「Luna」の3階層で構成されており、ChatGPT / Codex / APIで本日より順次利用できます。
■「Fable 5超え」のベンチ結果を複数アピール 「コスパ勝負」も


OpenAIによれば、Solはエージェント型の長時間業務を測る「Agents' Last Exam」で53.6を記録し、Fable 5を13.1ポイント上回りました。コーディングでもArtificial Analysis Coding Agent Indexで80を記録し、Fable 5を2.8ポイント上回りつつ、出力トークンは半分以下、所要時間も半分以下だったとしています。

下位モデルのTerraとLunaについても「Fable 5と同等以上の結果をおよそ16分の1のコストで」と、性能そのものより「性能あたりの価格」を前面に押し出しています。
一方で、どのAIモデル発表でもそうであるように、ベンチマークの選択や見せ方には留意すべき点もあります。たとえば総合指標のArtificial Analysis Intelligence Indexでは、Sol(最大推論設定)でもFable 5に1ポイント届いていません。比較表をよく見ると、項目によって比較相手が「Fable 5」「Mythos 5」「Opus 4.8」と使い分けられているのも注目点。

また生命科学系ベンチマークでは、「Fable 5は高度な生物学の質問の大半に回答を拒否するため掲載しない」との注記も。つまり不戦勝です。競合 Anthropic が慎重姿勢をみせる Claudeの安全設計を評価するか、そもそも答えないのでは役に立たない、検閲が緩い OpenAI のほうが優秀ととるかは分かれるところ。
なお、コストや処理時間の優位性はシミュレーションによる推定値であり、実環境では変動しうると注記しています。
■4体のAIが並列で動く「ultra」など新機能
性能の向上に加え、新たに加わった機能の目玉は最上位設定の「ultra」です。既定で4体のエージェントを並列に動かし、高いトークン消費と引き換えに、難しいタスクの結果と所要時間を改善するとしています。
ベンチマーク表では、Terminal-Bench 2.1やSEC-Bench Proなど一部で Ultra の高い能力が見て取れます。(Ultraの結果があるベンチとないベンチがあることも注目。トークン消費が激しいわりに結果がさほど改善されなかったものは書いていないといった可能性もあります)
このほか、モデル自身が軽量なプログラムを書いてツール群を協調させる「Programmatic Tool Calling」、生成したUIを自ら表示・検証して仕上げるコンピュータ操作能力の強化、資料・文書・スプレッドシート作成品質の向上などが挙げられています。
サイバーセキュリティ分野では脆弱性関連の能力が大きく向上したとし、高度な防御用途は本人確認を経た「Trusted Access」プログラム経由に限定するとしています。
■提供は本日から、最安モデルは入力100万トークン1ドル
提供は本日から始まり、24時間かけて全世界に展開されます。ChatGPTではPlus以上のプランでSolを利用でき、無料プランはTerraのみ。ultraはChatGPT WorkのPro・Enterprise、CodexのPlus以上で利用できます。
API価格(100万トークンあたり)は次のとおりです。 ・Sol: 入力5ドル/出力30ドル ・Terra: 入力2.50ドル/出力15ドル ・Luna: 入力1ドル/出力6ドル
あわせてプロンプトキャッシュの仕様も変わり、キャッシュ書き込みは通常入力料金の1.25倍、読み出しは従来どおり90%引きとなります。
■ 汎用お仕事エージェントの ChatGPT Work に採用
今回の GPT-5.6を頭脳として、コーディング以外を含む一般的な業務を自律実行するエージェント機能「ChatGPT Work」も発表しています。ChatGPT Work は頼みたい仕事の完成形を伝えると、人間が使うアプリやファイルから文脈を集め、複数段階のワークフローを長時間にわたって自律的に実行し、文書やスプレッドシート、プレゼン資料などを完成させる機能。こちらも本日より提供を開始しています。
GPT-5.6: Frontier intelligence that scales with your ambition | OpenAI







