マイクロソフトのXbox部門は、約3200人の人員削減と4つのゲームスタジオの売却・独立を発表しました。
Xbox事業を率いるアシャ・シャルマCEOは、この措置を「Xbox史上最も重大な組織再編」と位置づけ、1600人の即時解雇と、2027年会計年度を通じた1600人の順次削減の方針を明らかにしています。
2025年、前CEOのフィル・スペンサー氏は大規模リストラを実施したときに「プラットフォーム、ハードウェア、ゲームのロードマップはかつてないほど強固だ」と主張していました。しかしそれからわずか1年で、後任のシャルマ氏は公開された従業員向けメッセージのなかで「現在の当社の事業は健全でない」とストレートに述べています。
そして、スペンサー氏が推進していたXbox Game Passへの全面移行やマルチプラットフォーム展開についても、「一定の価値を生んだが、期待したペースでの成長ではなかった」としており、今後の戦略転換の方針を語っています。

まず、今回の組織再編は、将来的に単なるコスト削減にとどまらず、Xboxのビジネスモデルそのもを大きく見直すものとなる模様です。
まずは当面の施策として、これまで積極的に拡大してきたスタジオポートフォリオの見直しをはかり、いくつかのスタジオの分離独立化や売却、全体的な管理体制の変更が示されました。
独立体制へ移行するのは、カナダのCompulsion GamesとサンフランシスコのDouble Fine Productionsで、マイクロソフトはそれぞれが開発した作品とIP、さらに次回作の開発資金も提供したうえで、独立体制に移行させるとしています。
一方、英Ninja Theoryと英Undead Labsは現在開発中の作品を完成させて展開させていくための資金とともに別の投資家へ売却されます。
また仏Arkaneについては、フランスの労働法に基づく従業員協議(Works Council)が開始されており、「潜在的な戦略的選択肢の検討」が進められているとのことです。
その他、Activision、Blizzard、Bethesda / ZeniMax、King、Mojang、Xbox Game Studiosなどでも人員の削減は予定しているものの、シャルマ氏は「進行中のプロジェクトはキャンセルしない」としています。
ちなみに、人気作『マインクラフト』のMojangと、モバイルゲームスタジオのKingは今後、シャルマ氏が直接管理する体制になるとのことです。
今回の削減計画における、残る1600人の削減は、今会計年度内に順次実施される見込みです。Arkaneの処遇や『Blade』の開発継続可否については、Works Councilの協議結果を待つ必要があります。Ninja TheoryおよびUndead Labsの新オーナーについても現時点では明らかにされていません。
シャルマ氏はXbox事業の組織構造についてもメスを入れることを明らかにしています。
現時点で、同社の一部部門では事業が14もの管理階層を持つなど複雑化しており、チーム全体の規模が2020年代の始まりから40%も肥大化している一方で、Xboxのプレイヤー数やプレイ時間は減少している状況です。
そのため、今後管理階層を3階層まで、多くとも5階層まで削減し、メーカー(開発に専念する実働部隊)、プレイヤーコーチ(開発チーム育成を担いつつ業務に深く関わるリーダー)、そして、重要な意思決定を行い、成果に対する責任を追う管理者(DRI)という、よりフラットな組織体制で今後の作業の合理化とコスト削減を実現していくとしました。
さらに、Xbox事業全体に対しては、従業員数の増加とともに細分化されすぎた業務分担を改めるために、事業全体にわたる損益責任を負う最高執行責任者(COO)として、Xboxでおよそ20年にわたり重要な事業の構築に貢献してきたというヘレン・チャン氏を任命するとしています。
なお、シャルマ氏は今回の発表について「これらの変更は、XBOXの未来を縮小するものではなく、より大きくするためのものだ」と述べています。当面の施策はスタジオの削減と切り離し・管理体制の整理といった縮小方向のものですが、今後10年を見据え「Xboxが毎日10億人以上の人々を楽しませ、誰もが創造し、つながる機会を提供する数少ない企業の一つになることを望む」としています。
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