インドから格安「AI」スマホが登場?謎メーカー「Ai+」の秘密を探る(山根康宏)

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山根康宏

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香港在住携帯研究家

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スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

スマートフォン市場は大手メーカーの寡占状態になっていますが、それでも新興国を中心に新たなメーカーが生まれ続けています。最近私がインド系のECサイトなどを見ていたところ、AIブームにあやかったような「Ai+」という名前のスマートフォンブランドを見つけました。

インドのニュースを見ると、スマートフォン市場に参入したのは2025年7月と、まだ1年も立っていない若い会社です。インドのMadhav Sheth氏が立ち上げたNxtQuantum Shift Technologies社のスマートフォンブランドがAi+とのこと。なお同氏は元realmeインドのCEOであり、現在はHTech社のCEOでHONORスマートフォンをインドで展開中。それに飽き足らず自社ブランドのスマートフォンも立ち上げたということのようです。

Ai+というブランド名からは先進性が感じられますが、実際に展開している製品はミドルレンジクラスのモデルが多く、インドで誰もが買える製品を目指しているようです。OSはAndroidをベースにしたNxtQuantum OSを搭載。セキュリティー強化やAI機能が特徴といいます。

市場参入当時は4Gモデルを投入しましたが、現在は5G機も投入しています。チップセットはUNISOC採用機が大半であり、性能はそこそこ、といったところです。価格は下が約8000インドルピー(約1万3000円)、上が1万9000ルピー(約3万2000円)。新製品もペースは緩いながら定期的に投入されています。それに加えてフリップ式の折りたたみモデルもありますが、これは高級機となっており後で詳細に紹介します。

最上位モデルとなる「Ai+ Nova 2 Ultra」はメディアテックDimensity 7400を採用、ディスプレイは6.78インチで2772 x 1272ピクセル、メモリ構成は6GB+128GBでバッテリーは6000mAhを搭載します。カメラは5000万画素+800万画素超広角。先進国ならミドルレンジという性能です。しかしこれでも十分と考えるインドの消費者は多いでしょうから、十分商機はあるのでしょう。なお本体側面にはショートカットキーとなるカスタムボタンも搭載されています。

最下位モデルの「Ai+ Pulse」はUNISOC T616を採用する4G機で、ディスプレイはHD+、メモリも4GB+64GB、5000万画素カメラに5000mAhバッテリー搭載というエントリー機。後継・上位の「Ai+ Pulse 2」はUNISOC T7200搭載の5G機となっています。どちらも低価格機ながら安易に背面デザインをiPhoneなど他社品の真似をしていないのは好感が持てます

さて特徴的な製品がフリップフォンの「Ai+ Nova Flip」。これは見たことがある人ならすぐにわかると思いますが、ZTE / nubiaの「nubia Flip 2」そのものですね。ZTEのODM品として、Ai+のブランドとして投入されているモデルというわけです。価格は5万インドルピー、約8万3000円と他のモデルより大幅に高い製品です。

ZTEは日本でもソフトバンク(Yモバイル)向けブランドのスマートフォンを展開するなど相手先ブランド製品を多数開発していますが、低価格なフリップモデルは新興国向けに「ちょっとがんばれば手が届く、あこがれの製品」として大きな存在価値があるでしょう。販売数はあまり見込めなくとも、ブランドの「顔」になる製品としてだけでも大きな意味があります。

今後は「nubia Fold」などさらなる上位機種がAi+ブランドで投入される可能性もあり、これらの製品は低価格な折りたたみモデルを展開してるTECNOやInfinixなど、インドで強いTranssionの牙城を崩す役割も果たすかもしれません。

取るに足らない製品が多いように見えるAi+ですが、このように大手ODMメーカー製品を柔軟に採用する可能性があることから、今後インドで一定のシェアを取る可能性は十分にあります。そしてAi+のスマートフォンに今後インド発のAIサービスが乗る、なんて夢のような話が実現すれば、大手メーカーもうかうかしていられなくなるかもしれません。AIの登場で新興スマートフォンメーカーが大化けする、そんな可能性も十分ありうるわけです。



《山根康宏》

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