Anthropic最上位モデルClaude Fable 5公開、スレスパの腕も3倍 強力すぎて危険なMythos 5はサイバー防衛に限定提供

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AI企業Anthropicが、同社の最上位AIモデル「Claude Fable 5」を一般公開しました。同時に、サイバーセキュリティ専門家向けの「Claude Mythos 5」も限定公開しています。

価格はいずれも入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルで。「Claude Mythos Preview」の半額以下に設定されています。

■ 「強力すぎて非公開」のMythosにセーフガード追加

Fable 5は、Anthropicがこれまで一般公開したモデルの中で最も高い能力を持つとしています。ただし、その能力の高さゆえにサイバー攻撃や危険な生物学研究への悪用リスクも高まるという、いわば「強力すぎる問題」を抱えています。

Anthropicはこの問題に対し、危険な用途に関するクエリを検出してモデルを切り替えるセーフガード導入で解決を図りました。Fable 5の本体はそのままに、危ない質問だけをOpusなど別モデルに振り分ける構造です。

セーフガードが作動するのは全セッションの5%未満であり、大多数のユーザーはFable 5の性能をそのまま享受できるとされています。

一方、サイバー防衛の専門家向けには、一部セーフガードを解除した「Mythos 5」を用意。米政府や各社との連携プロジェクト「Project Glasswing」を通じて提供します。強力な能力を「誰に、どこまで開放するか」を段階的に管理するという、Anthropicの安全戦略が色濃く反映されたリリースといえます。

■ ソフトウェア開発から創薬まで、幅広い分野で性能向上

▲ ソフトウェアエンジニアリング

早期テストに参加したStripeは、人手で行えばチーム全体で2カ月以上かかる5000万行規模のRubyコードベースの移行作業を、Fable 5が1日で完了したと報告しています。

高品質なコードベースの基準を満たしながら難易度の高いコーディングタスクをこなす能力を測るCognitionの「FrontierCode評価」では、フロンティアモデルの中で最高スコアを記録したとしています。

▲ 知識業務・金融分析

Hebbiaの金融ベンチマーク(シニアレベルの推論を評価)では全モデル中最高スコアを記録。IMCは、事実確認・概念推論・根本原因分析・期待値分析を含む取引分析評価でほぼ全項目を満点に近い形でクリアしたと報告しています。

▲ 視覚処理(ビジョン)

スクリーンショットのみからWebアプリのソースコードを再構築するなど、高度な視覚処理タスクに対応。

ゲーム「ポケットモンスター ファイアレッド」を、地図や補助ツールなしの画面映像だけでクリアしたとしています。以前のClaudeモデルは補助ツールなしではプレイが困難だったとされており、視覚処理能力の大幅な向上を示す事例です。

▲ 長文脈・メモリ

数百万トークンに及ぶ長時間タスクでも集中力を維持し、自身のメモを活用して出力を改善する能力を持つとしています。

ファイルベースの永続メモリを与えた場合、デッキ構築ゲームのスレスパこと「Slay the Spire」をプレイさせたテストでは、最終局面まで到達できる確率が従来の最高性能モデルOpus 4.8の3倍に達したとしています。

▲ 創薬・生命科学研究

Mythos 5を用いた社内テストでは、タンパク質設計の専門家が創薬プロセスの一部を約10倍に加速できたとしています。また、14のタンパク質標的のうち9つで有望な創薬候補を特定したとしています。さらに、大腸菌タンパク質に関する新規メカニズムの仮説を独立した研究室が別途実施した研究で裏付けられた事例も報告されています。

▲ ゲノミクス研究

Mythos 5は1週間以上にわたる自律的な作業で独自のゲノミクス研究を実施。138種の動物にわたる数百万細胞の単一細胞データを統合し、カスタム機械学習モデルを設計・学習させたとしています。

学術誌Scienceに掲載された既存モデルを100分の1のサイズで上回る性能を示したとしており、Anthropicは今後数カ月以内に結果を論文として公開する予定です。

▲ 安全性(アライメント)評価

自動アライメント評価では、Mythos 5の不整合行動(欺瞞やユーザーによる悪用への協力など)のレベルはOpus 4.8と同程度の低水準だったとしています。詳細はモデルのシステムカードで公開されています。

■ 6月22日まで既存サブスクに無料提供、以降は利用クレジット制

Claude Fable 5は本日より全ユーザー向けに提供開始。Claude APIおよび従量課金制のEnterpriseプランでは即日フル利用が可能です。

サブスクリプションプランについては段階的な提供となります。

・2026年6月22日まで:Pro、Max、Team、シートベースのEnterpriseプランに追加費用なしで含まれる

・2026年6月23日以降:上記プランからFable 5が除外され、利用には利用クレジットが必要

・その後、十分なキャパシティが確保でき次第、サブスクリプションプランへの標準搭載を目指すとしています

Claude Mythos 5は現時点でProject Glasswingのパートナー(サイバーセーフガード解除)および近日中に選定される生命科学研究者(生物・化学セーフガード解除)のみに限定提供。より広範な信頼アクセスプログラムは今後展開予定としています。

APIでの利用は「claude-fable-5」のモデル名で呼び出し可能です。


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