動画レビュー:Switch 2にも合うゲーミングイヤホン Arctis GameBudsを早口で語る (テクノエッジ アルファ ゲーム部)

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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Nintendo Switch 2にも合う低遅延ゲーミングイヤホン、SteelSeries GameBuds (ゲームバッズ)の良いところを早口で語りました。

お時間のあるかたはこちらの動画をどうぞ。


こちらの記事では、動画で延々と語った推しポイントの概要と、動画にない補足および蛇足を追加しておきます。


内容的には、先日都内で開催したテクノエッジ アルファ ゲーム部イベントで口頭プレゼンした内容の再録です。


■Switch 2で使いやすい低遅延ゲーミングイヤホン

ご紹介した Arctis GameBuds (アークティス ゲームバッズ)は、ゲーミングデバイスの老舗 SteelSeries (スティールシリーズ)が展開するゲーミングヘッドセット Arctis ブランドの完全無線イヤホン。

一般的なBluetoothと、小さなUSB-Cドングルを使う低遅延の2.4GHz帯ワイヤレスに両対応しており、通話や動画にはBluetoothで、ゲームにはUSB-Cドングル経由でと、ボタンひとつで接続先を切り替えて使えることが特徴です。

そのほか、

ドングルがUSB-Cで小型。背が低く左右非対称(隣の端子を塞ぎにくい)

透過モードで自分の声や周囲の音が聞きやすい。チャット中に大声になったり、ゲーム中に話しかけられて気づかないことを防ぐ

・フラットで音の要素を聞き取りやすい、広がりある音質。

・ノイズキャンセルも(一応)対応。空調の音などは一段後ろに下がる程度

USBオーディオ対応のスマホやPC、ゲーム機で使い回せる

・ゲームタイトルごとのイコライザプリセットが250種以上。FPSで足音を聴きとりやすくするなど

・イヤホンなので、(オーバーイヤーのいわゆるゲーミングヘッドセットよりも) 涼しい

■自称「低遅延」のゲーミング製品に注意

GameBudsについて詳しく見る前に、ゲーミングイヤホン・ヘッドホンのおさらいとして。あえてざっくり基本を述べれば「音が微妙にズレて聴こえると困るタイプのゲーム用には、Bluetoothイヤホンは避けて有線か、USBドングルを使うゲーミング用無線ヘッドセットを使ったほうが無難」

一般的なBluetoothイヤホンの遅延は100ms~程度あるのに対して、専用のドングルを使うタイプの低遅延ゲーミングヘッドセットやイヤホンは、製品によるもののおおむね30ms程度。30ms台ならばよほど敏感な人でなければほぼ区別できないため、一般的なゲームプレイでは事実上問題ありません。

ひとくちにBluetoothといっても音声伝送に使う方式(Codec)には様々な種類があり、なかには低遅延を売りにするものもあるのがややこしいところですが、

・コーデックはイヤホン側と接続先の両方が対応している必要がある

・「低遅延」はあくまで一般的なBluetoothイヤホンと比較した宣伝文句の場合が多く、「超低遅延ゲーミングイヤホン!」を自称しても、実際には2.4GHz帯接続の製品と比較して遅い場合がある。

・一般的なBluetoothコーデックのまま低遅延を売りにするものもあるが、マージンを削って多少早くするため接続性に難があったり、あくまで通常のBTイヤホンよりややマシ程度のことも多い

と、なかなか難しいのが現状です。

▲画像:Nintendo Switch 2のBluetoothオーディオ設定画面。制約と注意が多数。

低遅延Bluetoothコーデックを使った製品は、対応機器で使えば優秀ですが、少なくともNintendo Switch や2は対応していません

■小型・左右非対称ドングルが秀逸

Arctis GameBudsの特長のひとつは、USBドングルが小さく、背が低く、左右非対称なこと。

従来の一般的なゲーミングヘッドセットでは、PCゲームや据え置きゲーム機を基準にしていたためドングルの大きさをさほど考慮せず(あるいはアンテナ性能を優先して)、USB-A端子でいわゆるUSBメモリのようなスティック型が大半でした。

Nintendo Switch やスマホでも使えないことはありませんが、USB-Cに変換するアダプタが必要だったり、突き出ると折れそうで気が気ではありません。

Arctis GameBuds のドングルはUSB-Cで高さが低く、端子ごと折れるリスクも低め。実際は端子自体がやや長く、Nintendo Switchではわずかにドングル本体と隙間ができますが、これはスマホ等と使い回す際にケースの厚みで挿せないことを防ぐため。

かつ左右非対称のL字型なので、挿す向きを変えることで隣の端子や排気口を塞ぎにくいのが優れた点です。(それでも、たとえばMacBookなどUSB-C端子間の距離が短い機器では、となりに接続する機器の幅が細いことに期待するしかありませんが)。

▲画像:参考。Type-Aで長いドングルも、U字型のC-Aアダプタで無理やり装着する技もあります。


■ノイズキャンセルも(一応)対応。透過モードの使いやすさが真価

アクティブノイズキャンセリング(ANC)にも一応対応しているものの、さほど効きは強くありません。普段使っているノイズキャンセル最高峰レベルのイヤホンと比較すると、GameBudsは正直ANCが効いているのかパッシブな耳栓効果だけなのかよく分からんレベル。

ただインイヤーの形状からパッシブの遮音性はそれなりに高く、空調の音、ファン音などは遠ざけてくれます。

ゲーミング用途で特筆すべきはANC自体よりも、4つのマイクを内蔵して外の音を取り込む透過モード(トランスペアレンシー)が優れていること。

ノイズキャンセルも透過モードもない一般的なイヤホンだと、特にゲーム中は周囲の音が聞こえず、話しかけられたり来客に気づかなかったり、音声チャットで自分の声が聞こえず大声で話したりしがちです。

GameBudsは周囲が聞き取りやすい透過モードの品質が比較的高く、特定の周波数帯が妙に大きくなったり、ノイズが耳につくこともありません。

自分の声を拾ってイヤホンから流すSideTone機能も設定でき、ボイチャで一人だけ声がでかい人 / 家中にチャットの独り言を流すのを避けやすくなっています。

(ただし、マイクの感度や品質自体はさほど高くありません。口元に伸ばすブームがないため、ある程度の声で発音する必要があります。声の質自体が大事な場合は、マイクだけゲーム機側を使うなど工夫が必要です)。

■バッテリーは10時間+充電ケースで計40時間。ワイヤレス充電も対応

バッテリーは単体で約10時間。特に長いわけではありませんが、無線イヤホンは使い終わった時点でほぼケースにしまうため、長時間ぶっ続けでないかぎり特にバッテリーがすぐ切れて困るほどでもありません。

Qiワイヤレス充電にも対応しているため、スマホ用の充電パッドに載せたり、あるいは他の機器にワイヤレス給電できるAndroidスマホ等に載せて充電もできます。

■モデルの選び方。Xbox対応モデルは上位互換

こちらは動画で触れなかった GameBudsのバリエーションについて。基本的には同じものですが、無印(PlayStationモデル)とXbox対応の GameBuds X の2モデルがあり、 どちらもNinendo Switch / Switch 2で使えます

違いはXbox版のUSB-Cドングルにスライドスイッチがあり、一般的なUSBオーディオ機器と、Xbox Series X|S のどちらに接続するかで切り替えられるようになっていること。

主にマイクロソフトの方針的な理由で、Xboxは素のUSB-Audioに対応していないため、Xboxでも使いたいならこちらの「X」版が必要です。

スライドスイッチを切り替えれば無印版と同じなので、対応機器という意味ではX版が上位互換ということになります。

金輪際Xboxを使わないのであれば無印でも問題ありませんが、日本国内で売っているXbox対応製品にありがちなこととして、製品名にXboxが含まれているだけで忌避されて上位互換なのに無印より安かったり、セールで無印が売り切れてもX版ならばまだ買える現象が発生することも。

Xbox対応版でも他の機器で使えるため、Nintendo Switch 2で使う場合どちらを選んでも大丈夫です。

余談ながら、この現象はSteelSeriesのもっと高いゲーミングヘッドセット、最上位モデルでも発生することがあり、Xboxにも対応する上位互換モデルがXbox非対応モデルより大幅に安いことも。Xboxユーザーならずともチェックする価値はあります。

一般論として、ゲーム機器は製品名に特定のゲーム機を含めていても、売り場的な理由や、(少なくとも)その機器では確実に使えることをユーザーに伝えることが目的であって、「製品名に含まれていない機器でも使える」場合、あるいは「製品名で別SKUになっているけど仕様は同一」の場合もよくあります。対応機種を調べて買うのがおすすめです。




《Ittousai》

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