高さ1メートルの立体物を印刷できる3Dプリンタが我が家にやってきた(CloseBox)

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松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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深圳の3DプリンタメーカーELEGOOが2023年12月にKickstarterで実施していたクラウドファンディングにプレッジ(出資)していたのですが、その現物が届きました。「ELEGOO OrangeStorm Giga」という製品です。

当時は送料込みで1640ドル。日本円で25万円ほどでしたが、現在の暫定価格は2500ドル。35万円を超えます。それでも80×80×100cmという、現在一般で売られている3Dプリンタの4倍の印刷面積を誇ることを考えれば安いものです。


■これ、どうやって運びましょう(西濃運輸)

8月中に届く予定だったのですが、結局日本に届いたのは8月末。さらに、配送の連絡が来たのは9月に入ってからです。なぜ遅れたのか。その理由は今となってはわかります。

でかすぎるのです。どのくらいでかいかというと、配送にあたっている西濃運輸の成田支店から電話がかかってきて「これ、どうやって運びましょう……」と相談されたくらい。

なぜ運送会社が悩んでいるかというと、OrangeStorm Gigaは2つに分かれていて、それぞれ70kgある。これを運転手1人で下ろすのは無理だから、というのです。そこは自分が手伝いますよ、と言ったのですが、「無理ですね」。

結局、2台に分けて、荷を下ろすときにそれぞれの運転手が手伝う、というやり方でいくことにとなりました。

そして、到着した荷物を玄関先まで運び入れてもらったあとで、後悔しました。

玄関の段差を持ち上げられない……。動かないのです。

このサイズのケースが後ろにもう1個。まずは最初の1個を部屋に運び込まないと先に進めません。

■ここで解体しよう

じゃあ、ここで解体しよう。そう決めて、段ボールの中の構造物を取り出します。それぞれ大物が2つずつ入っています。

それなら30kgちょっとだからなんとか動かせます。ずりずりと床を這わせて、目的地であるリビングに運び込みます。

黒い梱包に埋まっているのが、左右の構造物。その左にあるのは、底辺部分のベースキットです。これを床に設置するところから始めます。

ベースキットの中央にある黒っぽいところは、熱したフィラメントを定着させるホットプレートみたいな部分、ヒートベッドです。これが80×80cmあります。

水平に置いてしまう前に、やるべきことが残っていました。それは、電圧のディップスイッチを中国の230Vでなく、日本でも使える115Vに切り替えること。

これが、5箇所もあるんですよ。なぜかというと、ヒートベッドが4分割されていて、それぞれが電源を持っているからなのです。つまり、5つの電源が内蔵されているわけです。

そういえば、それまでは我が家で最大だった3Dプリンタ「ANYCUBIC Chiron」は40×40×45cmの印刷が可能。それが4つ分ある、ということになります。

このディップスイッチがかなり奥まったところにあり、視認しながら操作ができません。iPhoneのカメラで撮影して切り替えを確認し、ようやくベースキットを床に置けます。

マニュアル(日本語化されている)を見ると、定格電力1530Wとなっています。

右と上にあるPCのケースと比べると大きさが掴めるでしょうか。この上に、残りの3つの構造物を載せていきます。

■組み上げていきます

マニュアルビデオを見ると、2人で作業しています。

左右のユニットを立てて、ねじ止めします。

次に、左右をつなげる鉄の支柱を渡します。これでだいぶ揺るぎない感じになりました。

さらに、プリントヘッドを動かす、X/Y軸アセンブリを載せます。これも重くて、よく1人でできたなというくらい達成感がありました。他の方は絶対に2人でやってください。危険なので。

これで大物はほぼ組み立てられました。あとは、キャタピラ、追加用具のねじ止め、ディスプレイの設置などです。さらに、レベリングの調整も待っています(ここは1時間近くかかるらしい)。

ここで既に力尽きたので、この日はここまで。

■そして力尽きる

その後、2日間ほど外に出られなくなっていました。

段ボールは駐車場に持って行ったのですが、保護材が大きくて重く、玄関を占領しています。

既に体はボロボロだったので、家にあるものだけを食べて体力回復待ち。昨日、保護材を駐車場に運んで、ようやく外出できるようになりました。

玄関がもので埋まっていないと、出入りがしやすい、ということを学びました。

この後の組み立てと生成結果が待ちきれないという方は、既に設置済みの海外ユーザーの動画(ガチレビュー)をご覧ください。

この方が導入した時点ではレベリングなどの問題があったようですが、今は修正されているようです。これだけヒートベッドが大きいと、なかなか安定させるのは難しいのでしょうね。

一方で、スピードは思ったほどでないという結果が出ているので、そこは今後の改善待ちでしょうか。

残りの設定と自分がやろうとしている等身大フィギュアの印刷についてはこれからぼちぼちやっていくつもりです。進捗があったら報告します。

ちなみに、等身大フィギュア自体はANYCUBIC Chironで4分割してなんとか印刷できているので、初めてというわけではないです。ただ、その後くっつけるのが難しいので、分割は少ければ少ないほどいい、という考えです。


《松尾公也》

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