テスラ、ヒト型ロボット「Optimus Gen 2」公開。手足の動作がよりなめらかに

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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テスラはX(Twitter)でヒト型ロボット「Optimus」の第2世代(Gen 2)となるバージョンを公開しました。紹介動画では、前世代バージョンよりも立居振舞が自然な雰囲気に近づいたように見えます。

Optimusプロジェクトに携わっているTeslaのMilan Kovac氏は、このOptimusの歩く映像にはCGIは一切使われておらず、再生速度を早めてもいないとXへの投稿で述べ、明らかに歩くのに苦労していた前バージョンよりもスムーズになったその姿を紹介しています。

もっとも改善が印象的なのは手の部分で、11DoFの自由度を備え、左右10本の指をスムーズに動かし、指先の圧力センサーの効果により生卵もソフトに扱うことが可能になっています。

第2世代版のOptimusには、テスラ内製のセンサーおよびアクチュエーターの採用で以前より30%速い歩行が可能になったとのこと。また姿勢を保つためのバランス制御が大きく改善され、映像では屈伸をする様子も見ることができます。


さらに外観的にも、機能を追加しながおよそ10kgを減量、外装もより多く取り付けられて、一般的な、より安心感のあるヒト型ロボットの姿に近づいた印象です。以前は動いていなかった首も2軸のアクチュエーターが装備され、頭部を自由に動かせるようになりました。

ただ、全体としてはテスラが目指すところである「安全ではない、反復的な、または退屈なタスクを実行できる汎用の二足歩行の人型ロボット」としての堅牢性を備えているようにはまだ見えません。歩き方を見ても、何かにぶつかったりしたときに、反射的に転倒しないよう姿勢を立て直す動作ができるようには見えず、そうであれば転倒した際の衝撃で破損に至る可能性が高そうに思えます。

テスラのヒト型ロボットがBoston DynamicsのAtlasのように、駆け足やジャンプ、ダンスまでできるようになる必要があるのかはわかりませんが、不意の転倒事故を安全に回避するにはそれぐらいの俊敏性を備えるか、エアバッグなどの補助的機能が必要になるかもしれません。

また、ヒト型ロボットにヒトと同じように作業をさせようとする場合、現在の運動機能の強化だけでなく、周囲で起こる物事を検知、分析、判断して適切な行動を導き出しつつタスクをこなすプログラムもしくはAIが必要です。その部分がどれぐらいのものかがわかるのは、まだしばらく先になりそうです。

ちなみに、ダンスを踊るという点に限って言えば、最新のOptimusは2021年8月に初めて開発がアナウンスされたときの(第0世代?)Tesla Botのレベルにも(そしてCEOのダンススキルにも)まだまったく届いていません。


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《Munenori Taniguchi》
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