気づくと怖い怪奇ウェディングドレス写真。原因はiPhoneカメラの仕組みにあり?

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:Tessa Coates/Instagram
  • Image:Tessa Coates/Instagram
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ある女性がウェディングドレスの試着中、2枚の鏡の前に立った姿をiPhoneで撮ったところ、腕の位置が鏡のなかでそれぞれ違う怪現象が起きました。本人は画像編集を行っていないと主張し、最終的に謎の答らしきものにたどり着いています。

作家でコメディアンのテッサ・コーツさんは、ウェディングドレスを試着して2枚の鏡の前に立っている写真をInstagramで公開。これは本物の写真で、Photoshop編集でもパノラマ合成写真でもLive Photos(写真を撮った瞬間の前後の映像を保存したもの)でもないと述べていました。

これに対してフォロワーらは違和感をスルーして結婚を祝福するか、注目を集めるため加工したと疑うかで反応は真っ二つ。しかし、最も当惑したのは他ならぬご本人だったようです。

コーツさんは、その後の顛末をInstagramのストーリーズで語っています。ともに仕事をしている技術者らに話を聞いても答えは出ず、結局は地元のアップルストアに行くことに。そこでロジャーという名の従業員は、これほどひどいケースは見たことがないとしつつ、現実と異なる写真が撮れるのはよくあることだと認めました。

すなわちiPhoneは単なるカメラではなくコンピューターであり、Live Photos設定をオンにしていなくても内部的にはバースト写真を撮影するとのこと。つまり複数の写真を連写しておき、AIが合成したと説明。実際、コーツさんは撮影の途中で、腕の位置を変えていました。

とはいえ、今回のような写真が撮れるのは「100万分の1」の確率であり、他の多くのiPhoneユーザーに起こる可能性は低いと認めたそうです。


またコーツさんは「Twitterのとても賢い人が、私の背中にある線を見つけたんです。完全に一直線になっていないほんの小さな部分で、そこが写真を繋ぎ合わせたところです」と該当箇所を丸で囲んだ画像付きで述べています。

最近のスマートフォンによる写真はほぼ例外なく、レンズがそのまま捉えた画像ではなくコンピュテーショナルフォトグラフィ、つまりイメージセンサ他のデータを高度な演算処理に通して一枚画像を得る仕組みです。スマホメーカー各社とも、それを強力なセールスポイントにしている現状があります。

今回の写真は、「2枚の鏡の前に立ち、撮影の途中で腕の位置を変えた」という状況がレアなだけであり、意識的にやれば誰でも再現できる可能性が高いはず。時間があれば、自分で試すのも面白いかもしれません。ただし、一般公開する場合は「意図的にやった」ことを明記した方がよさそうです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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