Metaは、新型MRヘッドセット「Quest 3」を本日(10月10日)発売しましたが、前モデルQuest 2よりも数万円は高価となりました。しかし同社は2024年、コントローラーを同梱しない安価なヘッドセットを発売予定だと著名ジャーナリストが主張しています。
アップルのインサイダー情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、自らのニュースレター「Power On」でアップルとMetaのMRヘッドセット競争について語っています。以前Gurman氏は、Quest 3について詳細かつ正確な情報を伝えていました。
最新記事によると、Metaの匿名人物は同社が「アップルを恐れている」段階にあると語っているのこと。今年6月に、アップルが高級MRヘッドセットApple Vision Proを発表したことを警戒しているというわけです。
そのためMetaは、MRヘッドセット戦略を再構築。その一環として、Quest 3によく似ているものの、より安価な部品を使った廉価モデルを準備中とのこと。
どうやって、製造コストを下げるのか。検討している方法の1つは、ハンドコントローラーを同梱しないことです。その代わり「コントローラーを別売りにするか、ハンドジェスチャーでヘッドセットを操作する」方向が探られているようです。
加えて、廉価モデル発売後にはQuest 3をエントリーモデルとハイエンドの「中間層」製品に位置づけるとも述べています。
Apple Vision Proにもコントローラーは同梱されない予定ですが、それは洗練された視線追跡やジェスチャー操作が可能であり、必要性が薄いためでしょう。そもそも3499ドル(約52万円)という高価な製品であり、コストダウンのためではないと思われます。
今年初め、Metaが社内で従業員に公開したというAR/VRハードウェア製品のロードマップが流出。そこでは「より買いやすい」ヘッドセット、開発コード名「Ventura」を2024年発売予定とされていましたが、今回の廉価ヘッドセットとの関係は今のところ不明です。
先日の年次イベントMeta Connectで、Metaは以前は熱心に推進していたメタバースにあまり言及せず、ゲームや生産性の向上など、実用性を前面に押し出していました。それは、アップルがVision Pro発表時に強調していたのと近いアプローチです。以前、アップル社内ではメタバースという概念を禁じられているとの報道もありました。
噂の廉価モデルがQuest 3とは別ものなのか、それともQuest 3のコントローラーを非同梱にした別バージョンかは不明です。前モデルのQuest 2も、発売後のソフトウェアアップデートにより新機能の追加やパフォーマンス向上が施されており、Quest 3もコントローラーなし・手のジェスチャーのみで操作可能となるのかもしれません。