Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上

ガジェット スマートフォン
Ittousai

テクノエッジ編集長。火元責任者兼任 @Ittousai_ej

特集

Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上
  • Apple iPhone 15 Pro / Pro Max発表。チタン筐体とUSB-C初採用・Maxは5倍望遠・A17 Proで性能向上

9月13日未明のスペシャルイベントで、Appleが最上位スマートフォンの新モデル iPhone 15 Pro / iPhone 15 Pro Max を発表しました。

うわさのとおり、iPhoneとして初めてチタニウム合金製の筐体を採用し軽量化。アップルいわく「火星探査車でも採用されたグレード5チタニウム合金」です。

無印の iPhone 15と並んで従来のLightning端子を廃止し、iPhoneとして初めてUSB-C端子を採用します。

MacやiPad含めUSB-C端子で統一できるほか、データ転送速度がUSB 3相当になり従来より最大20倍早くなっています。

エッジがやや丸みを帯びた新デザインになり、従来より縦横がやや小さく、20gほど軽くなりました。

タテヨコの小型化は1mm弱に過ぎませんが、ディスプレイサイズは6.1インチと6.7インチで変わらないため、画面ふちの余白部分、ベゼルは歴代iPhoneでもっとも細くなっています。

大きく重い Pro Maxで比較すると、昨年の iPhone 14 Pro Maxは240gの大台に乗せていたところ、15 Pro Maxは221gに減量を果たしています。

Maxではない iPhone 15 Proは187g。昨年のiPhone 14 Proは206gだったため、こちらもかなり軽くなりました。

20gの軽量化がどれくらい大きいか、は人に依りますが、キーノートプレゼンでの表現は「もった瞬間に分かる」。一方、0.4mmほど厚くなっています。

軽量なケースなら、装着した状態で昨年の 14 Pro / Maxを裸で持つのと同じサイズや重さ、あるいはもっと軽いと考えると恩恵が実感できそうです。

グレード5チタン合金製のフレームとアルミの内部構造は、業界初の固相拡散接合(ソリッドステートディフュージョン)技法を採用して接合。剛性と熱伝導を高め、効率的に内部の熱を逃がすことで、過熱による速度制限を抑止します。

カラーバリエーションはiPhone 15 Pro と iPhone 15 Pro Maxで共通。画像左から、

  • ブラックチタニウム (スペースグレイ的なやや明るい黒)

  • ホワイトチタニウム (ややクリーム色がかった、色温度低めの白)

  • ブルーチタニウム (彩度の低いネイビーに近い、灰色がかったブルー)

  • ナチュラルチタニウム(やや明るいグレー)


昨年のiPhone 14 Proにあったディープパープルやゴールドはなくなりました。

チタンになったのは側面のフレーム部分。背面は従来モデルと同じマット仕上げのガラスを採用します。

外装の変化としては、従来の消音スイッチ部分を「アクションボタン」に変更。

消音切り替えができるほか、カスタマイズしてカメラや音声メモ録音、音声入力、翻訳、ショートカット呼び出しなど、ユーザーによってすぐ使う機能を設定できます。

見ればどちらの状態なのか分かったスライド式に比べて、アクションボタンでは外からボタン自体を見て判断できなくなりましたが、長押しすることで消音オンオフどちらに切り替えたのか、指先に感じる振動フィードバックで区別はできます。

消音オンオフによりダイナミックアイランドのアニメーション表示が変わり、画面上でも目視確認は可能です。

中身は業界初の3nmプロセスによる新プロセッサ A17 Pro を搭載。無印の iPhone 15にはないProだけのプロセッサです。

性能としては、6コア構成CPUのうち2コアに採用する高性能コアが、分岐予測や命令デコード・実行エンジンの改善で10%高速化。従来に続き「シングルスレッド性能で全スマートフォン最速」を謳います。

4つの効率コアもマイクロアーキテクチャのレベルで更新し効率を向上。こちらは「競合比で三倍の電力効率」。

音声認識やカメラの高度な機能に使われるニューラルエンジンのコア数は昨年と同じ16コアながら、AI処理性能は最大2倍

待望のUSB-C端子搭載で、従来のLightning端子は廃止。データ転送速度がUSB 2からUSB 3になり、HDR動画など大容量のデータも最大20倍早く転送できるようになりました。

ただし、最大10Gbpsの速度で接続するにはケーブル側が対応している必要があります。同梱のケーブルは「USB-C充電ケーブル」で、最速の10Gbpsには対応しません

Appleの独自規格というわけではなく、従来から一般的に販売されている「10Gbps」対応ケーブルならば利用できます。(USB 3.2 Gen 2、SuperSpeed USB 10Gbps等)。


GPUは新たに6コア構成になり20%高速化(前世代のA16 Bionicは5 GPUコア構成)。「iPhone 12 Proと比較して70%高速」という、少し前のモデルと比較して大幅に高速化したことをアピールしています。

処理速度そのものよりも、設計やグラフィック処理のシェーダーアーキテクチャを刷新したことで、「Apple製GPU史上で最大の再設計」「Pro級GPU」と表現しています。シェーダーアーキテクチャの刷新で加わったのはメッシュシェーディングやレイトレーシングなど。

GPUの純粋な処理速度では20%の向上ですが、メッシュシェーディングなどこれまでは利用できなかったハードウェアアクセラレーションのシェーダーを使うことで、ゲームなどの高度なグラフィックと効率、長時間駆動を実現します。

レイトレーシング性能は「スマートフォン最速」。具体的には前世代の A16 Bionicでソフトウェアレイトレーシングした場合と比較して4倍高速の表現。

小さな画面で遊ぶことが多く、業界の構造的にインストールの母数が重要とされるモバイルゲームで、対応ハードウェアが限られるレイトレーシングを積極的に導入するかどうかは微妙なところですが、反射や光源処理のリアルさは、Appleが Vision Proを含め力を入れるARアプリケーションの自然さで威力を発揮します。

GPU全体としてピーク性能時の電力効率も改善し、同じ性能で低い消費電力を実現しました。

GPU性能のデモでは、『崩壊:スターレイル』でリアルな波の動きと反射の水表現、『原神』ではNeural Engineを使ったMetalFX Upscalingでより複雑な環境と高精細かつ高フレームレート・高速応答、『ディビジョン リサージェンス』では高解像度化および動的照明や炎エフェクトの増量。

カプコンはリメイク版『Resident Evil 4』をiPhone 15 Pro向けに年内に配信予定。ほか『アサシンクリード ミラージュ』は、シリーズとして初めて、PCやゲーム機向けと同じ内容をiOS向けにネイティブで提供します。発売は2024年予定。

A17 Pro は、新たにAV1コーデックのハードウェアデコーダを搭載。少ないデータ容量で高精細な動画ストリーミングに対応します。業務用に使われる動画フォーマットのProResもSoC上の専用エンジンで高速に処理します。

カメラは新プロセッサの性能で、48MP画素メインカメラでの撮影が標準で24MP記録にアップグレード。

iPhone 14 Proもメインカメラのセンサは4800万画素でしたが、そのままの画素数で保存するにはProRaw保存を選択して48MPを有効にする必要がありました。

iPhone 15 Proでは標準で、従来の2倍の高解像度と低ノイズ、扱いやすいファイルサイズのバランスを取った24MPで撮影するほか、48MP HEIFでも撮れるようになりました。

iPhone 15 Pro Maxのみ、焦点距離120mmの5倍望遠カメラをiPhoneとして初めて搭載します。レンズからセンサまでの距離を稼ぐため、省スペースで光が4回反射する「テトラプリズム」設計を採用。

光学手ブレ補正とオートフォーカスを一体化した3Dセンサーシフト方式を採用し、望遠でも従来以上にブレを補正しすばやく合焦します。

iPhone 15 Pro / Pro Max共通でポートレートモードも強化。撮影時に手動でポートレートモードを選択することなく、人物やペット等を自動的にポートレート撮影できるようになりました。

被写体に人、犬、猫を検出した場合、および被写体をタップしてフォーカスした場合、自動的に深度情報も記録し、撮影後にフォーカスと奥行き効果を操作できます。

次世代ポートレートモードではこのほか精細感や暗所撮影機能、色再現性も向上しています。

ナイトモードも、LiDARセンサで深度を取得するナイトモードポートレート含め、全体にディテールと色の鮮やかさが向上しました。

スマートHDRの強化(Smart HDR 5)など、プロセッサの強化に伴い全体に刷新しています。


このほか、2つのレンズを使い立体映像「空間ビデオ」の撮影に対応。Apple Vision Proを装着すれば、高精細な立体映像で撮影した場面を「再体験」できます。

このほか、

  • 第二世代ウルトラワイドバンドチップ U2 搭載。U2を搭載したiPhoneどうし、またはApple Watch などアクセサリのあいだで、従来よりも3倍の距離から高精度に位置関係を認識できるように。「探す」でより遠くからどの方向・距離にあるのか探知したり、人混みではぐれた相手がどちらに、どの程度遠くにいるのか分かるなど。

  • MagSafe (15W)および Qi2ワイヤレス充電対応。Qi2はMagSafeをもとに制定されたばかりのワイヤレス充電方式で、年末にかけて登場予定。

  • Wi-Fi 6E対応。ホームIoTのThreads対応

  • 新素材 FineWoven (ファインウーブン)のケース対応。再生素材を多く含んだ細かなファブリック素材で、従来のレザーよりも大幅に低い環境負荷が特徴。レザーは廃盤。

予約受付は9月15日から。

米国価格ではiPhone 15 Proが999ドルスタートで変わらず、Pro Max は1199ドルスタートで従来より100ドル値上げ。

ただしPro Maxは従来の最小ストレージモデル128GBが抜けて256GBからになっているため、同じストレージ量では同じ価格。最低価格の最小ストレージモデルがなくなったかたちです。

国内価格は、iPhone 15 Proが128GB 15万9800円、256GB 17万4800円、512GB 20万4800円、1TB 23万4800円。

iPhone 15 Pro Max は256GB 18万9800円、512GB 21万9800円、1TB 24万9800円。



iPhone 2023特集
《Ittousai》

Ittousai

テクノエッジ編集長。火元責任者兼任 @Ittousai_ej

特集

BECOME A MEMBER

テクノエッジ友の会に登録しませんか?

今週の記事をまとめてチェックできるニュースレターを配信中。会員限定の独自コンテンツのほか、イベント案内なども優先的にお届けします。