Instagramが投稿のランク付けや「シャドウバン」について公式に説明。ユーザーには理由告知、不服申し立ても可能

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Instagramが投稿のランク付けや「シャドウバン」について公式に説明。ユーザーには理由告知、不服申し立ても可能

Instagramは、ユーザーの投稿がどのようにランク付けされるか決めるアルゴリズムや、いわゆる「シャドウバン」への対応を公式に説明しました

公式ブログ記事によれば、メイン画面やストーリーズ、発見(explore)タブやリールなど、場所ごとに別々のランク付けアルゴリズムを使っているとのこと。全ての場所でユーザーが何を見たいか予測する単一のアルゴリズムはなく、様々な基準や処理を使い分けています。

たとえばメイン画面の投稿の並び方は、ユーザー本人の「いいね!」やシェア、保存、コメント等の過去の行動や、各投稿をした人との過去の交流に影響を受けます。そしてストーリーズでは過去の行動のほか「親密度」、つまり友人や家族として繋がっている可能性がどれぐらいあるかを考慮します。

かたや発見タブでのお勧めも、主にユーザー本人の過去の行動(そのアカウントの更新を確認しに行く頻度などを含む)も反映されているものの、「ある投稿がどの程度人気がありそうか」つまり他人の行動がより重みづけされているとのこと。そのため、知らない人の投稿が並ぶ可能性が高くなるようです。

より興味深いのが「シャドウバンへの対応(addressing shadowbanning)」部分でしょう。この「シャドウバン」という言葉に唯一の定義があるわけではないとしながらも、Instagramは「明確な説明や正当性がないまま、ユーザーのアカウントやコンテンツが制限されたり隠されたりすることを意味する言葉として使っている人がいる」と認めています。

このシャドウバンは、一般的にはSNSのアカウントにはアクセスできて投稿もできる、つまりアカウントは停止もBANもされていないが、投稿が他の人には表示されない・見つかりにくい状態を指す俗語です。かつてTwitterは存在を認めていませんでしたが、今年4月からルール違反ツイートへの対応として「見えるシャドウバン」を開始しています。


そしてInstagramもまた、クリエイターのコンテンツやアカウントが「見えにくくなる」つまりお勧めからブロックされる場合について、透明性を高めるよう取り組んでいると述べています。

具体的には、公式モバイルアプリで 「アカウントステータス」(プロアカウント限定機能)を呼び出すと「アカウントのコンテンツが推奨されない理由」が説明され、その上で「アカウントに影響を与えるコンテンツ」(シャドウバンの原因)を削除し、異議がある場合は不服申し立てできるようにしたとのことです。

シャドウバンは長年にわたって多くの憶測や陰謀論を呼び起こしており、Instagramが取り上げたのも今回が初めてではありません。が、2年前の公式ブログでは「ほとんどのフォロワーは、フィードの半分以下しか見ていないからです」として、たまたま他のユーザーに読まれにくいだけのように仄めかしていました。

一応、当時も「投稿を削除する理由に関して透明性を高め、ミスを減らし、ミスがあれば素早く修正し、我々のシステムがどのように機能するかについてよりよく説明」することを目指すとしていました。が、今回はユーザー本人に実際に理由を説明し、不服申し立ての手続きを設けており、ひとまず進展があったと言えそうです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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