【追記】AIで『ミハエル・シューマッハ独占インタビュー』を捏造したタブロイド紙、親族が訴訟準備

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Munenori Taniguchi

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  • 【追記】AIで『ミハエル・シューマッハ独占インタビュー』を捏造したタブロイド紙、親族が訴訟準備

7度のF1チャンピオン、ミハエル・シューマッハ氏へのインタビューを、AI生成によりねつ造した独タブロイド紙に対し、シューマッハの親族が訴訟を起こす予定だと述べています。

シューマッハ氏といえば、1990年代半ばから2000年代にかけて、F1世界選手権で圧倒的な強さを誇ったレジェンドレーサー。しかし2013年12月にスキー中の事故で外傷性脳損傷を負い、以後は公の場に姿を現していません。またシューマッハ氏の家族も本人のプライバシーを守ることを決意し、これまでほとんど容態について語ることはしていません。

ところがドイツの女性週刊誌「Die Aktuelle」は、4月15日号の表紙にシューマッハ氏の写真をメインで用い、周辺人物からの半端な話ではなく本人への独占インタビューだと主張する記事をこの号のメイン記事として掲載しました。

しかしこのインタビューは完全にAIチャットボットを使って作成されたフェイク記事であることが判明し、シューマッハ家の代理人は法的措置の準備を進めているとESPNに語っています。

フェラーリF1チームの代表として、シューマッハ氏と共にF1を戦った(ミシェル・ヨーの夫としても知られる)、ジャン・トッド氏は、いまも定期的にシューマッハ氏のもとを訪れていると語っています。事故当時からの経過は良好で、一緒にF1レースのテレビ中継を見ることもあるのの、依然として本人との意思疎通が難しい状態だとしています。そして「彼のことはそっとしておきましょう」と述べ、あれこれメディアが詮索しないよう求めています。

2021年にNetflixが製作したドキュメンタリー『シューマッハ』のなかで、夫人のコリーナ氏は「かつてとは違いますが、彼はここにいて、私たちに力を与えてくれています」と述べ、さらに「私たちは、ミハエルをより良くし、彼が快適であることを確認し、彼が私たちの家族、私たちの間の絆を感じられるよう、できる限りのことをします」と語っています。

※追記:「Die Aktuelle」の発行元であるFunkeのマネージングディレクター、ビアンカ・ポールマン氏は、現地時間4月21日の夕方に声明を発表。「この無意味で誤解を招くような記事は、決して掲載されるべきではありませんでした。これは、私たち、そして私たちの読者がFunkeのような出版社に期待するジャーナリズムの基準にまったく達していませんでした」とし、シューマッハ家に対して謝罪。さらにAI生成のインタビューを掲載した編集長のアン・ホフマン氏を即時解雇したことを明らかにしました。


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《Munenori Taniguchi》
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