インテル共同創業者ゴードン・ムーア氏死去「ムーアの法則」提唱

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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3月24日、インテルの共同創業者で、半導体の性能向上が倍々に加速していくという「ムーアの法則」を提唱したことで知られるゴードン・ムーア氏が死去しました。享年94。

ムーア氏は1956年に接合型トランジスターを発明したウィリアム・ショックレー氏が設立したショックレーショックレー半導体研究所に就職したものの、翌年にはそこで出会ったロバート・ノイス氏ら7人とともに会社を離れ、フェアチャイルド・カメラ・アンド・インスツルメンツのシャーマン・フェアチャイルド氏の手を借りて1957年にフェアチャイルド・セミコンダクターを創業しました。

フェアチャイルドでは1961年に集積回路(IC)の大量生産を開始し、ここでアンディ・グローブ氏を採用、1965年に発表した論文で、大規模集積回路(LSI)の製造における長期的な傾向として、年々その集積度が2倍になっていくとの予測を示し、これが後に「ムーアの法則」と呼ばれるようになりました。ムーア氏は1975年に再び向こう10年の傾向予測として半導体の性能が2年ごとに2倍になると修正し、今日までその予測が半導体業界の開発における実質的な目標値になっています。

そして1968年にはムーア氏、ノイス氏、グローブ氏が共同でインテルを創業。ムーアの法則を軸に将来に向けたビジョンを示すムーア氏、ICの発明など技術革新の牽引役となったノイス氏、戦略家で部下の能力を引き出すことに長けたグローブ氏はインテル・トリニティと呼ばれ、3人によるバランスのとれた経営がインテルの成長を支えました。

ノイス氏は1990年に、グローブ氏は2016年に亡くなっており、トリニティの最後のひとりとなっていたムーア氏ですが、2000年には妻のベティ氏とともに50億ドルの資金とともにゴードン&ベティ・ムーア財団を設立し、環境保護や医療ケア、科学研究などの支援を開始、2006年にインテルの会長職を退いていました。

インテルの現CEOであるパット・ゲルシンガー氏はムーア氏について「ゴードン・ムーア氏は、その洞察力とビジョンによってテクノロジー業界を定義した。彼はトランジスタのパワーを明らかにすることに貢献し、数十年にわたり技術者や起業家にインスピレーションを与えた。われわれインテルは依然としてムーアの法則に触発されており、この法則を追求し続けるつもりだ」とコメントしています。


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