光ファイバーやカバーガラスで知られる素材メーカーのコーニングが、スマートフォン向けの新製品「Gorilla Glass Victus 2」を発表しました。
従来の最上位製品Gorilla Glass Victus の高い耐擦傷性能を維持しつつ、ガラスの組成を改良することで「コンクリートのような粗い面へ、腰の高さ1mからの落下」「アスファルト面に最大2mからの落下」でも破損を免れる耐久性を備えます。
コーニングの落下耐性試験によれば、競合他社のアルミノシリケートガラスは粗いコンクリート面に最大50cm、またはそれ以下の落下でも破損。またVictus 2は競合他社の最大4倍の耐擦傷性を備えるとのこと。
コーニングによれば、Victus 2は現在複数の顧客による性能評価試験中で、今後数か月以内に採用製品が登場する見込み。
現行製品のゴリラガラス Victus は2020年発表。サムスンのGalaxyシリーズをはじめ、多くのスマートフォンの最上位モデルに採用されてきました。
コーニングといえば、創業170年を超える世界最大のガラス素材メーカー。食器にはじまり、エジソンの電球、耐熱ガラス「パイレックス」、テレビのブラウン管、ハッブル宇宙望遠鏡などの光学部品、光ファイバーなど、科学技術の発展と普及を材料物性から支えてきた企業です。
スマートフォンとのかかわりについても、現在にいたるスマートフォンの普及に決定的な役割を果たした iPhone のガラスは初代からコーニング製品。
後にゴリラガラスの製品名で他社にも供給され、ゴリラガラス2からゴリラガラス6、2020年のゴリラガラスVictusまで代を重ねてきました。今回のVictus 2はその最新製品です。
なお iPhone では、2020年の iPhone 12以降、従来より大幅に耐久性を強化し「どんなスマートフォンのガラスよりも頑丈な」カバー素材「セラミックシールド」を採用しています。
アップルの説明では「Ceramic Shieldで強化された前面カバーは、他のスマートフォンのガラスより強靭で、高温結晶化ステップを新たに加えガラス母材内のナノセラミック結晶を析出させることで、ガラスを超え、耐落下性能が4倍向上しています」
このセラミックシールドもAppleとコーニングによる共同開発製品。それではセラミックシールドとゴリラガラス Victus 2のどちらが強いのか?2年新しい Victus 2で iPhone は最強の座を譲るのか?が当然気になります。
しかしコーニングによると、セラミックシールドはガラスセラミック、ゴリラガラス Victus 2はアルミノシリケートガラス。素材が異なる製品であり、直接の比較となる数値等は公表していないとのこと。
素材が異なっても用途が同じであれば落下試験なりで比較できる気がしますが、端末メーカーが顧客である以上、どちらがどちらより強いですとは言いづらい立場のようです。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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