アニメ『ルパン三世』や『スペースコブラ』のクリスタルボーイで知られる声優の小林清志さんが7月30日、肺炎のため死去されました。享年は89歳。お通夜は小林さんの意向により執り行われ、お別れの会は後日に行う予定とのことです。
小林さんは1933年1月11日、東京生まれ。国民文化研究所・劇団泉座、日大芸術学部演劇科を経て、1960年に東京俳優生活協同組合(俳協)の創立にも参加。洋画ではジェームズ・コバーン、リー・マーヴィン、トミー・リー・ジョーンズなどの吹き替えで高い評価を得る一方で、『妖怪人間ベム』のベム役や『機動戦士ガンダム0083』のエギーユ・デラーズ役などアニメの声優としても活躍。ナレーターとしても『SASUKE』や『ガキの使いやあらへんで』などバラエティ番組のほか、アニメ『勇者王ガオガイガー』での「これが勝利の鍵だ!」という予告ラストでの声が広く深く親しまれていました。
そのうち『ルパン三世』の初代・次元大介はシリーズ開始から50年以上にわたって演じ続け、ご本人も特に思い入れが深いと語られていました。その間ルパン三世と銭形警部の声優は2代、石川五ェ門役と峰不二子役は3代を重ねており、長きにわたり「ルパン一味」の重鎮といえる存在でした。
2021年に卒業が公表されたさい、「ルパンは俺にとって一生ものの仕事であった。命を賭けてきた」とのメッセージを遺し、「ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。あばよ」と別れのあいさつ。
その最後の活躍となった「ルパン三世 PART6」の初回「「EPISODE0-時代-」では、次元は「とうとうオレも潮時かもしれねえな」や「なんだか相棒との人生を振り返っちまったよ」と小林さんの勇退やこれまでの歩みをしみじみと思わせるセリフが散りばめられ、最後にルパンの「またうまい酒を飲もうぜ、次元」と手向けの言葉で締めくくられたものでした。
小林さんの好演された次元や数々の名キャラクターは、今なお無数のアニメや洋画で繰り返し再生され、新たな視聴者や昔から馴染みのファン達と出会いや再会を重ねています。数多ある動画配信サービスをめぐって、まだ見ぬ小林清志キャラを探す旅に出かけてみてもいいかもしれません。ご冥福をお祈りいたします。
Source:俳協