M2 ProやM2 Max(仮)搭載の新MacBook Pro、早ければ2022年秋に発売か。注目は微細化とグラフィック性能強化

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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ついにAppleシリコンも第2世代「M2」チップが登場し、搭載機種である新型13インチMacBook ProやフルモデルチェンジしたMacBook Airが販売中です。

前世代のM1チップがそうであったように、今後はM2のバリエーションを積んだ新型Macの登場が予想されるなか、おなじみの Apple事情通は「M2 Pro」や「M2 Max」を搭載したMacBook Proが準備中であり、早ければ今年秋に発売されるとの見通しを伝えています。

アップルの内部情報に詳しいことで知られるBloombergの名物記者Mark Gurman氏は、自らのニュースレター「Power On」最新号にて、読者の質問に答えるかたちで次期MacBook Proのことを語っています。

そちらによれば、アップル社内ではより高性能なM2バリエーション(「M2 Pro」や「M2 Max」)を積んだ14インチと16インチのMacBook Proの開発が進行中です。

ただ、14インチと16インチMBPともに、2021年モデルでデザインを一新し、外部ポート類を充実させ、MagSafe充電端子も追加(過去モデルから考えると“復活”)、ディスプレイはミニLEDバックライト方式に改善、ウェブカメラも720pから1080pに変更した直後のため、ハードウェア全体のデザインと機能は「ほぼ同じになる可能性がある」とのことです。

つまり、M1 13インチMacBook Pro(2020)が筐体そのままM2 13インチMacBook Pro(2022)となったように、プロセッサだけを新しく載せ替えるイメージとなりそうです。

この予想は今回が初出ではなく、6月末にもM2 Mac mini、M2 Pro Mac mini、M2 Ultra/v Mac Proと併記するかたちで触れられていました。下位モデルの13インチMacBook ProもM2を積んだとなれば、上位の14インチ/16インチがM2 Pro/M2 Maxに載せ替えるのは自然な成り行きであり、特に意外性はありません。

ただし目新しい点もあり、それは「(M2 ProやM2 Maxは)標準的なM2と同じように、グラフィックスに大きな注目が集まるだろう」と殊更に述べていることです。

標準のM2チップを搭載した13インチMacBook Pro ベンチマークでは、アップル公称の「(M1よりも)マルチスレッド性能が18%向上」が実世界でも成立することが確認できています。

が、それよりも注目すべきは8K H.264およびHEVCのビデオに対応したビデオデコーダーや、4K/8K対応のProresビデオエンジンなど、M1ファミリーでは上位プロセッサ限定だったプレミアム機能が搭載されていることです。

おそらくM2 ProやM2 Maxでは、M2搭載のグラフィック関連エンジンにさらなる強化が加えられ、あるいは新規のエンジンが積まれる可能性もあると考えられます。ビデオ編集など重い処理を日常的にこなしているプロフェッショナルユーザーにとっては、無印のM2チップでは及ばない強力なパートナーになるかもしれません。

また別方面の情報では、M2 ProはTSMCが3nmプロセスで製造するとのアナリスト予測もありました 。現行のM2チップはTSMCの5nm技術(第2世代)で作られているため、同じM2ブランドであってもプロセスルール(回路線幅)が違う、という事態が起こりそうな気配があります。

一般にプロセスの微細化が進むほど、つまり「5nm」や「3nm」といった数値が小さくなればなるほど面積あたりの処理能力は向上し電力効率が改善します。つまり「M2 Pro」、および延長上にある「M2 Max」では、グラフィック処理能力が向上しつつ電力消費が抑えられ、発熱も低くなるかもしれないわけです。

M2 13インチMacBook Proは限界まで使ったところ、1つのファンでは冷却が追いつかず、108度まで上がったとの検証結果もありました。

しかし14インチ/16インチMacBook Proは2つの冷却ファンを内蔵するほか、16インチモデルでは通常より高速回転させる高出力モードまで用意しています。

M2 MacBook Airはファンレスのため温度が上がりやすく、同じチップを載せたMacBook Proよりも高負荷時の性能に差がつくことが分かっていますが、次期ハイエンドMacBook ProはM2 Pro/M2 Maxのポテンシャルをフルに引き出せると期待したいところです。

Source:Bloomberg

via:9to5Mac

《Kiyoshi Tane》
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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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