この1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する今回の「生成AIウィークリー」(第158回)は、最初から最後まで実務プロセスを行う研究支援AI「Apodex 1.1」や、次世代モデル「Qwen4」を先行搭載したオープンウェイトAI「Qwen3.8-Flash-Next」を取り上げます。
また、テンセント開発の7700億パラメータの最新AIモデル「Hy4 preview」や、Z.ai開発のマルチモーダルモデル「GLM-5.3-Flash」をご紹介します。
そして、生成AIウィークリーの中でも特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる「生成AIクローズアップ」では、Googleが発表した、購入した電子書籍をGemini Notebookに取り込み、直接対話できる機能「Expert Intelligence」を別の単体記事で取り上げています。
「調べて書く」から「分析や作業も行う」へ。研究支援AI「Apodex 1.1」登場
これまでのAIは、長研究において文献の検索やレポートの作成などを得意としていましたが、研究支援AI「Apodex 1.1」はデータの整理から分析方法の選択、プログラムの記述と実行まで、実務プロセスを最初から最後まで自律的にこなすことを目指して開発されています。
長時間の作業であっても人間と柔軟に連携でき、ユーザーはAIが作業している途中で新しい資料を追加したり、方針を変更したりすることができ、AIはそれまでの成果を無駄にすることなく作業を軌道修正して継続します。
また、AI自らがタスクを分割して複数のサブエージェントを同時に働かせる機能により、複雑な作業をスピーディーに進めることができます。さらに、最終的な結論を出す前には、根拠となる事実のダブルチェックも行います。
現在はWeb上でフル機能が利用できるほか、ローカル環境向けにはオープンソースのエージェント基盤「FrontierAgent」がGitHubで公開されており、軽量版(35B)「Apodex 1.1 Mini」も発表されています。


Apodex 1.1: Scaling Agentic Intelligence for Complex Work
B. An, B. Li, B. Wang, B. Zhang, B.L. Wang, C. Feng, C. Wei, C. Xue, C. Zhang, D. Ng, D. Ye, E. Min, F. Chen, F. Liu, F. Yang, F. Ye, G. Sun, H. Ji, H. Xu, H. Yang, H. Ye, H. Zhang, H. Zhao, J. Li, J. Lin, J. Xia, K. Jin, K. Wang, K. Yang, L. Bing, L. Lei, L. Su, Le. Wang, Lu. Wang, N. Wang, Q. Ren, Q. Yang, R. Li, S. Bai, S. Du, S. Li, S. Lin, S. Nie, S. Wang, S. Zhang, S.Z. Wang, T. Ge, Ta.Q. Fang, Ti.Q. Fang, W. Fang, W. Li, W. Zhang, X. Chen, X. Li, X. Tang, X. Wang, X. Xu, X. Zhang, X.Q. Wang, X.Y. Wang, Y. Deng, Y. Gao, Y. Hu, Y. Li, Y. Sui, Y. Wang, Y. Xiao, Y. Zhang, Y. Zhou, Z. Chen, Z. Cheng, Z. Feng, Z. Liang, Z. Liu, Z. Zhang
Paper | GitHub | Blog
次世代モデル「Qwen4」を先行搭載したAI「Qwen3.8-Flash-Next」がオープンウェイトで登場
AlibabaのQwenチームは、次世代モデル「Qwen4」の技術を先行搭載した新型AI「Qwen3.8-Flash-Next」を公開しました。このモデルは、1250億パラメータのうち、1トークンの処理で実際に動くのは60億というMoE構成です
今回のアップデートでは、主に4つの改良が加えられました。長文から重要な文脈だけを効率よく抽出する新しいアテンション機構、情報の伝達と学習を安定させる残差接続の拡張、計算負荷をかけずに記憶容量を拡大する埋め込み技術、そして学習効率を高める新しい最適化手法の導入です。
これらの工夫により、前モデルから学習コストを約9分の1に抑えつつ、プログラミングや複雑なオフィス業務における性能を引き上げることに成功しました。コンテキスト長は標準26万トークン、最大100万トークンまで読み込みにも対応しています。
Unslothによる量子化モデル「Qwen3.8-Flash-Next-GGUF」も公開されています。



Qwen3.8-Flash-Next
Qwen team
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Claude Opus 4.8に迫る性能のマルチモーダルモデル「GLM-5.3-Flash」
Z.ai社は、画像とテキストを同時に処理できるマルチモーダルモデル「GLM-5.3-Flash」を発表しました。このモデルは、総パラメータ数3200億に対し、稼働するパラメータ数を180億に抑えることで、GLM-5.2の10分の1という低コストを実現しています。
ベンチマーク評価では、GLM-5.2を凌駕する性能を発揮し、またコーディングやエージェントベンチマークにおいては、Claude Opus 4.8に迫る性能を発揮します。
長文を処理する際の計算量やメモリ消費を大幅に減らす独自のハイブリッド構造を採用しており、さらに視覚を処理する能力がシステムの根本に組み込まれている点が大きな特徴です。
これにより、AIが単にコードを書くだけでなく、自分が作成したWebサイトやアプリの画面を視覚的に確認し、デザインの崩れを自ら見つけて修正するといった作業が可能になりました。
正式リリース前、本モデルは「ox-alpha」という匿名モデルとしてOpenCodeやOpenRouterでテストされており、人気を集めるほどの反響を呼んでいました。
Unslothにより量子化版「GLM-5.3-Flash-GGUF」も公開されています。




GLM-5.3-Flash
Z.ai
Blog | Hugging Face
テンセント、7700億パラメータの最新AIモデル「Hy4 preview」をオープンウェイトで公開
Tencentは、自社で最も高い性能を持つというAIモデル「Hy4 preview」をオープンウェイトで公開しました。
このモデルは7700億パラメータ(アクティブ490億)を備え、一度に100万トークン分の文章やデータを読み込んで処理できます。長期的なソフトウェア開発、複数の資料を扱う事務作業、科学研究といった難易度の高い分野で性能が向上しています。
開発には社内のソフトウェアエンジニアや金融アナリストなどが協力し、実際の業務に基づいたデータで学習が行われました。これにより、プログラミング、データ分析、ゲーム開発、AI研究などのタスクに対応できるようになっています。
社内専門家163名による203のタスクを用いたブラインド評価では、「GLM 5.3」や「Kimi K3」をわずかに上回る結果を獲得しました。


Hy4 preview
Tencent
GitHub | Blog | Hugging Face










