Anthropicが AIサービス Claudeの音声対話機能「音声モード」(Voice mode)を刷新し、高性能モデルのOpusおよびSonnetと会話できるようになりました。
同時に Gmailやカレンダー、Slackなど外部ツールとの連携も強化。Opus や Sonnetの読解力でメールを探させたり、Slackの議論をサマリーにまとめさせて耳で聴くといったことが可能になります。

アップデートした音声モードは、モバイル・デスクトップ・ウェブでパブリックベータとして利用可能。日本語にも対応しています。
■ Haiku 限定から、Opus / Sonnetなど「普段のClaude」と会話可能に
今回アップデートした「音声モード」は、入力欄のマイクのとなりにある波形アイコンから開いて、Claudeと双方向に音声でやりとりする機能。現状ではチャットでしか使えません(マイクアイコンはキーボードのかわりに声をテキスト化する音声入力。ターミナルの /voice )。
Claudeの音声モードは2025年の提供開始以来、応答速度を優先して小型モデルのHaikuで処理される仕様でした。簡単な質問には素早く答えられる一方、込み入った相談に対応する能力は Opus や Sonnet より下。普段の Claude とのやり取りをそのまま続けられるわけではなく、浅い簡単なやり取り専用という、存在意義が限られるモードだったともいえます。

今回の更新により、テキストチャットで直前に使用していたモデルが音声会話にも引き継がれ、その最速版で応答する仕組みに変わりました。会話中にHaiku・Sonnet・Opusを切り替えることも可能です。なお、 もっとも賢い Fable は選択できません。
■ GmailやSlackなどアプリ接続も強化。日本語にも対応
より賢いモデルに対応すると同時に、接続アプリの使用や対応言語も強化しています。対応するコネクタはGmail、Googleカレンダー、Google Docs, Slackなど。
対応言語は英語に加えて、日本語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語(スペイン / 中南米)。
無料プランで接続できるアプリは1つだけ。Opus や Sonnet などのモデル選択はプランにより制限がありますが、言語対応は無料を含む全プランで利用可能です。
■ ターン式+割り込み対応。日本語の聞き取りや読み上げ精度は改善の余地大
音声の合成・認識エンジン自体を大きく改善した発表ではなく、会話としての自然さは今回のアップデートの対象外です。聞く・考える・話すの順に進むターン制のアーキテクチャも維持しています(回答中に割り込んで話しかけることは可能)。
実際に日本語で使ってみると、かつてのコンピュータ音声よりは自然で、Haiku よりもまともなモデルで思考するのは役に立つものの、日本語の精度はまだまだ。音声の認識自体は Opus や Sonnet が文脈を読んで当てはめるわけではなく、たとえば「Claude」について会話していることが明らかでも、頻繁に「黒戸」にして意味の通らない入力を作ります。
回答の音声も、音声自体を生成しているわけではなく、LLMとしてテキストを生成し、読み上げエンジンに投げる形式。音読み・訓読みのある日本語の漢字の読み上げは他社でも苦戦していますが、Voice mode でもテキストを見ないと何を言ったのか分からない、キテレツな発音をしてくることがしばしばあります。
Anthropicは今回の更新を「知性とツールアクセス」に焦点を当てたものと位置づけており、音声表現そのものへの投資は継続中で、年内にさらなる発表を予告しています。
■ OpenAI も ChatGPT Voice 更新。音声ネイティブモデル採用
一方、同日7月23日にはOpenAIも音声方面をアップデートしています。7月8日に発表した新世代音声モデル「GPT-Live」をベースにした「ChatGPT Voice」が、デスクトップアプリ(Mac・Windows)で利用できるようになりました。
ChatGPT Voice はChat、Work、Codexの各スレッドを横断し、声だけでタスクの開始や進捗確認を指示できる点が特徴です。GPT-Live自体は「聞く」と「話す」を同時に処理するフルデュプレックス方式を採用しており、音声認識・生成・応答を一つのモデルで並行処理します。



