OpenAIは2026年6月4日、ChatGPTのメモリ(記憶)機能を大幅に刷新した新システム「Dreaming V3」の導入を発表しました。
米国のPlusおよびProユーザーへの提供を開始しており、今後数週間以内に他の国・地域のユーザーや、無料プラン(Free)・Goプランのユーザーにも順次展開します。
▲記憶を整理・定着する夢見「Dreaming」
ChatGPTの「Dreaming」とは、人間の脳が睡眠中に記憶を整理・統合・定着させるプロセスにちなんで命名した記憶の合成プロセス。チャット中にバックグラウンドで常に動作し、ユーザーが「これを覚えて」と明示的に指示しなくても、過去の会話履歴からユーザーの好みや進行中・終了済みのプロジェクトなどを自動的に推論してメモリに保存します。
■初代のSaved Memoryから3世代の進化
OpenAIによれば、ChatGPTのメモリ機能は2024年の初導入以来、段階的に発展してきました。

・2024年(Saved Memories):ユーザーが「覚えて」伝えるなど、明確なキューがあった情報のみを保存。時間経過を考慮しないため情報が陳腐化しやすく、指示がないと文脈を捉えづらい。
・2025年(Dreaming V0):バックグラウンドで記憶を合成し、Saved Memoriesを補完する形で導入。ただし単独のシステムとしては不十分で演算コストも高い。
・2026年(Dreaming V3):Saved Memoriesを完全に置き換える形で、バックグラウンドでの記憶合成するDreamingを全面採用。計算効率を従来比で約5倍向上させたことで、無料ユーザーへの展開も可能に。
▲文脈の引き継ぎ・好みへの追従・時間的な鮮度を重視
OpenAIは良いメモリーシステムの条件として、以下の3点を挙げています。
・有用な文脈を引き継ぐ:一度伝えた情報を、次回以降のチャットでも活用できる。
・好みや制約に従う:「菜食主義者である」などの情報を記憶し、以降の提案に一貫して反映する。
・時間とともに最新の状態を保つ:「7月にシンガポールへ旅行予定」という記憶が、旅行終了後には「2026年7月にシンガポールへ行った」と自動更新される。
この3点目の「時間的な鮮度」は、従来のメモリシステムが抱えていた「陳腐化」の問題に対応します。旅行が終わっても以前の滞在地に基づいた提案をしてしまうといった問題が、Dreaming V3では解消します。
■新しい「メモリサマリー」インターフェース
▲ChatGPTが何を知っているかを一覧で確認・編集

Dreaming V3では、「Memory Summary(メモリサマリー)」ページが新たに提供されます。従来の個々のメモのリスト表示とは異なり、ChatGPTが推論したユーザーの好みやプロジェクト、制約条件などを要約して表示する形式です。
ユーザーはこのページで情報を追加・修正・削除したり、モデルと対話して詳細の確認ができます。
■無料ユーザーへも展開
▲展開スケジュールと対象プラン
OpenAIによれば、Dreaming V3の実現にあたり、メモリ機能の計算コストを従来比で約5分の1に削減。これまでPlusおよびProプランのみで提供していた機能を、無料プランのユーザーにも展開できる水準に達したとしています。
展開スケジュールは以下の通りです。
・Plus(米国):2026年6月4日より利用可能
・Pro(米国):2026年6月4日より利用可能
・Go・Free・国際ユーザー:今後数週間以内に順次展開予定
Dreaming V3はデフォルトで有効化されており、従来のSaved Memoriesを完全に置き換えます。ユーザーは設定から無効化することも可能です。
■ユーザーによる制御とプライバシー
▲記憶の確認・修正・削除が可能
Dreaming V3はデフォルトで有効ですが、ユーザーは以下の操作で記憶を管理できます。

・Memory Summaryページで記憶内容を確認
・個別の記憶の追加・修正・削除
・特定の記憶を「忘れる」よう指示
・設定からDreaming機能全体を無効化
・過去の会話履歴やメモのエクスポートおよび削除
OpenAIは、記憶の合成プロセスはユーザーのプライバシーを尊重した設計になっているとしています。









