X(Twitter)のオーナー、イーロン・マスク氏は、このソーシャルメディアプラットフォームに新たに2段階のプレミアムサブスクリプションを開始すると述べました。
マスク氏は「1つは低コストでありつつすべての機能を備えているが、広告は削減されない。もう1つはより高価だが広告表示のない」プランになると述べています。一方、その料金がいくらになるのかについては述べていません。
今回のマスク氏の発言は、新規ユーザーに対し年額1ドルを請求する有料化テスト「Not A Bot」プログラムをニュージーランドとフィリピンで開始したことにつづいて発表されました。
このプログラムでは、年1ドルの支払いを選ばない新規ユーザーは「読み取り専用」になり、投稿の閲覧、写真や動画の視聴、アカウントのフォローなどはできるものの、自分が投稿するやリポスト、いいねなどはできなくなります。
なお、現在の有料プランX Premiumは月額8ドル(日本では月額980円、モバイルアプリ経由は1380円)で登録でき、広告表示が半分になるといったメリットが提供されています。
マスク氏は以前より、Twitter上のボットや偽アカウントを排除するにはユーザーに料金を請求することだと述べていました。そしてマスク氏はTwitter(当時)を買収した昨年以来、このSNSの広告収益は約60%も減少したと述べていました。
また、現CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏が就任してからの12週間における、以前のTwitter広告主上位100社が出した広告費用は、マスク氏買収前の12週間に比べて少なくとも90%は減少したと非営利のメディア監視団体Media Matters for America(MMfA)が報告しています。
さらにマスク氏は先月、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相との会談においてX全体を有料化するアイデアについて明らかにし、それこそがボットや偽アカウントに対するもっとも有効な対策だと主張していました。
「Not A Bot」プログラムは、この主張とともに、新たに導入するという2段階の有料プランの有効性を試すものと言えるかもしれません。ただ、もし2段階の有料プランのうち(広告表示がない)上位のプランが普及するようなら、さらに広告主がXから離れてしまう可能性もあるかもしれません。
またクリエイター広告収益分配プログラムに登録しているユーザーは有料ユーザーの広告インプレッションから収益を分配されているため、やはり広告なしプランが普及すると影響を受けることになりそうです。