ゲームキューブとWiiエミュレータDolphin、Steamページが開設「合法的に入手したゲームのみプレイ可能」と強調

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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ゲームキューブとWiiエミュレータDolphin、Steamページが開設「合法的に入手したゲームのみプレイ可能」と強調

レトロゲーム機のゲームキューブやWii用ゲームをほとんど動かせるエミュレータ「Dolphin」が、2023年後半の発売に向けてSteamにページを開設しました。

DolphinはPC / Mac向けに以前から無料で配布されていますが、Steamを経由すれば、携帯ゲーミングPCのSteam Deckなど、Windows版のインストールが面倒なデバイスでも手軽に利用できる見通しです。


すでにSteam上に「Dolphin Emulator」ページは開設済み。技術としてのエミュレータはSteamで販売中のレトロゲーム等で多く使われていますが、ゲームソフトの著作権侵害とセットで語られることが多いエミュレータ単体が厳しい審査を通過して、Steamという大手ゲームプラットフォームの店舗に並んだことになります。

ストアページでは「アプリにゲームは付属していません」と明記。さらに「Dolphinで使いたいゲームのオリジナルを所有している必要があります」「あくまで合法的に入手したゲームのコピーを実行するためのツールに過ぎません」と念押ししています。

さらにエミュレート対象となるゲーム機は「ビッグNのキューブ型ゲーム機やモーションコントロールゲーム機」とされ、具体的な名前は伏せた表現。

遊び方は「一度、ゲームのコピーを互換性のある形式に変換すれば、エミュレータで直接ゲームを起動できる」とのこと。

手持ちのゲームやソフトをリッピング(コピー)することは、日本の著作権法でも制限付きの例外である私的複製として原則的に認められてはいるものの、プロテクト(技術的保護手段)の有無や方法などさまざまな観点があるややこしい問題です。

そうした条件をクリアすれば、Dolphinでのプレイには多くのメリットがあります。まず解像度が向上し、HDテクスチャパックやフレームレート向上パッチを当てることも可能。またクイックセーブ&ロードで難所を何度もやり直したり、ネット越しのマルチプレイもできます。

Dolphinは2023年第2四半期末までにSteamアーリーアクセスで登場し、年末には完全版がリリースされる予定です。システム要件も軽めのため(RAM 2GB以上など)法律を守りつつ、幅広いデバイスで楽しみたいところです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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