スマホの位置情報で交差点事故を防ぐシステム、KDDIと出前館・日本交通が実証実験。死角の自転車やバイクを運転手に通知

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山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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スマホの位置情報で交差点事故を防ぐシステム、KDDIと出前館・日本交通が実証実験。死角の自転車やバイクを運転手に通知

KDDIは1月30日、出前館、三井住友海上火災保険、MS&ADインターリスク総研らとともに、スマートフォンの位置情報を使った公道での事故防止に関する実証実験を行うと発表しました。期間は2月1日から2月28日までの1か月で、東京都板橋区の公道で行われます。

コロナ禍でのデリバリーサービスの需要増加に伴い、自転車や原動機付自転車(原付)と自動車の接触事故も増えているとのこと。とくに信号のない交差点における出会い頭の事故が多く、自転車や原付が建物などの死角に隠れてしまい、発見が遅れることが主な事故原因として考えられています。

そこで、衛星測位システム(GNSS)で計測したスマートフォンの位置情報をもとに、自転車・原付・自動車が同じ交差点に接近した際に、それぞれの運転手のスマートフォンに通知する機能を開発。これの実証実験を行うというものです。

具体的には、デリバリーサービスの出前館とタクシー事業の日本交通がこの機能を搭載したスマートフォンを通常業務中に利用し、事故削減効果などを検証します。

仕組みとしては、スマートフォンの位置情報を活用し、自転車・原付・自動車の位置情報をトラッキングサーバーに定期的にアップロード。見通しの悪い交差点付近において、それぞれが接近したことをトラッキングサーバーが予測・検知すると、通知音やバイブレーション、警告画面で通知します。なお、通知のタイミングは、道路や交差点の形状、乗り物の種類に応じて個別に設定しているとのことです。

実証実験ではこのほか、一時停止義務違反や急ブレーキなどの運転結果を自転車・原付の運転手にフィードバックを行うことで運転意識の向上も図ります。

面白い機能ではありますが、位置情報を利用するということでプライバシー面の課題もありそうです。また正式サービスとなった場合、この機能を過信してしまうと、利用しない人がいた場合にかえって発見が遅れるなどの弊害も予想されます。機能自体の有効性の検証はもちろんのこと、いかにして大勢の人に使ってもらうかなどの工夫も検証が必要かもしれません。

《山本竜也》
山本竜也

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