窓に貼れる「完全ワイヤレステレビ」 Displace TV予約開始。バッテリーで一か月駆動

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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Displace TV
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毎年1月に米ラスベガスで開催される家電見本市CESには、ときにこれまでに見たことがないような製品が登場することがあります。今回、そんな製品のひとつに挙げられるのが、世界初のワイヤレスOLEDテレビを謳う「Displace TV」。

このテレビは米国のスタートアップ企業Displaceの製品で、初の完全ワイヤレスなテレビだと説明されています。普通のテレビが放送を受信し映像を映し出すには通常、少なくとも電源コードとアンテナケーブルを接続する必要があります。

しかしDisplace TVは、チューナー部分や電源機能の部分をベースユニットとして分離、ベースユニットにはAMDのCPUとNVIDIA製GPUを組み合わせ、55インチの4K OLEDディスプレイ部にWi-Fi 6Eで映像をストリーミングする仕組みを作りました。

チューナー部がワイヤレスのテレビならば珍しくはなく、最近のテレビはたいていワイヤレスで映像を受信できますが、それでもディスプレイ部には電源が必要です。そこでDisplaceは1日6時間程度の視聴ならばだいたい30日間は充電せずとも使い続けられる容量を持つ、独自のバッテリーパックを開発してディスプレイ部に搭載しました。上部にはビデオ通話アプリケーションなどのためにカメラも搭載します。

操作はリモコンではなくハンドジェスチャーで行うようになっているため、上述の4Kカメラはジェスチャーの読み取りにも使われていそうです。ジェスチャーによる操作は、たとえば手のひらを画面に向けて押すように差し出せばコンテンツが再生され、ピンチすれば拡大縮小すると言った具合で機能するとのこと。

またDisplace TVが2台あれば、片方の画面に手を伸ばして映像をつかみ、隣のDisplace TVに投げるように動作することでコンテンツを移動できるとされています。実用面でそれが必要かどうかはともかく、なんだか未来的で面白い機能ではあります。

なお、Displace TVは1台55インチですが、メーカーのリリース文やウェブサイトには「2台を並べて110インチ8K」「4台を並べて220インチ16K」テレビにもなると説明されています。おや?計算がおかしいような…と思ったものの、予約ページには正しく「4台で8K解像度の110インチ」「16台で16K解像度220インチ」と書かれており、どうやら一部の担当者が混乱してミスってしまっただけのようです。

ベースステーションと画面が分離していることで、自由な場所にディスプレイ部を設置して、使い終わったら片付けるといった使い方が可能になることを考えると、プライベートな使い方以外にも、たとえば事業所間でのビデオ会議をしたりする際に、毎回機器のセッティングをちょうどよいかもしれません。

55インチのOLEDテレビは普通ならなかなか一人で移動させるのは難しいですが、Displace TVならディスプレイ部は約9kg。壁にマウントを用意しなくても、背面に備える真空吸着パッドで壁や窓ガラスに設置することが可能とされています。

ただそこそこの大きさがあるため、設置できる平坦な壁面や窓ガラスのほうがなかなか見つからないかもしれません。真空パッドの密着が悪いところに設置してしまうと、最悪、設置した場所から脱落してしまうこともありそうなので、設置場所の選定には細心の注意が求められそうです。

Displace TVは1月5日からウェブサイトで予約の受け付けを開始しています。価格は1台(ディスプレイ部+ベースユニット部)あたり2999ドル。発送予定は2023年12月です。ちなみに、ディスプレイとベースユニットの通信は現在はWi-Fi 6Eを採用しているものの、Displaceは製品版ではWi-Fi 7に切り替えているかもしれないとのこと。果たして、これが本当に発送予定の時期に製品として完成しているのかどうかが気になるものの、期待して待ちたいところです。



《Munenori Taniguchi》
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