アップル、iPadをスマートディスプレイにする外付けドック開発中?Pixel Tablet的デザイン

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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スマートフォンやタブレット、最近ではMacも快進撃を続けるアップルですが、どうにもスマートホーム市場は上手く行っていないことが知られています。

セットトップボックスApple TVも好調とはいえず、HomePod miniはそこそこ順調とはいえ他社のスマートスピーカーには及ばず、「リビングの真ん中でホーム機器を制御」という目標とは程遠い状況が長らく続いてきました。

そんななか、同社がスマートホーム市場への重要な一手として、iPadと合体してスマートスピーカー化するスピーカーハブ(充電ドック)を開発中との噂が報じられています。

アップルの最有力リーカーと名高いBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号概要はこちら)で、先日Googleが予告したタブレット「Pixel Tablet」に言及。その追加情報だった「ドッキングしてスマートディスプレイにする」アクセサリーに触れ、アップルも同じようなことに取り組んでいると述べた次第です。

同社がiPadとスピーカーを組み合わせたスマートホーム製品を開発中であることは、Gurman氏の数年ごしの持論です。今年8月にもiPadとスピーカーをロボットアームで繋いだキッチン向けのデバイスという未来感あふれる(ないしiMac G4への先祖返り?)製品像を開陳していました

さて最新のニュースレターでは、アップルはまだiPadとスピーカーハブを組み合わせた(2つで1つの製品)アイディアを模索しつつも、それとは違うiPad用の別売りドッキングアクセサリーに取り組んでいるとも付け加えられています。

どちらも方向性はほとんど同じで、「キッチンカウンターやリビングルーム、ナイトスタンドに置けるようなもの」つまり自宅の一箇所にしか置けないものではなく、どこにでも持っていって使える製品を目指しているそうです。要はPixel Tabletと同じような仕組みです。

すでにアップルはApple TVやHomePodを送り出しているものの、アマゾンのEcho製品やGoogleのNestシリーズほどの地歩は築けていません(スマスピ市場は中国勢が猛追しているとのデータもありますが)。

かといって、ゼロから新製品を創り出すには時間がかかる。そこで12年かけて普及したiPadをスマートホームの分野で威力を発揮させる上で、外付けドックは最善手かもしれない、というわけです。

ほかニュースレターでは大型のHomePodリニューアル版や、Apple TVとスマートスピーカー一体型デバイスにも触れられていますが、それらは以前の予想の繰り返しであり、特に目新しさはありません。

今回の報道では、別売りドッキングアクセサリーが今後の新型iPad専用なのか、それとも過去のモデルでも使えるのか不明です。が、もしも後者であれば「対応するiPad過去モデルの台数」が直ちに潜在的なアップル製スマートスピーカー市場にもなりかねず、Pixel Tabletにとって大きな脅威となるはず。

もっとも米9to5Googleは、アップルやiPadとの競争こそがPixel Tabletの進化を後押しする可能性があるとコメントしています。


要はアマゾンがFire HD 10 Plus+ワイヤレス充電スタンド(組み合わせるとEcho Showのように利用できる)等でやっていることを後追いするだけの感もありますが、それをiPadの規模で実現すれば、スマートディスプレイ市場に激震が走るのかもしれません。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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