おまえ、そういうヤツだったんか……。GoPro「Creator Edition」にじっくり触って考えた、アクション以外の使い道

テクノロジー Science
小寺信良

小寺信良

ライター/コラムニスト

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18年間テレビ番組制作者を務めたのち、文筆家として独立。家電から放送機器まで執筆・評論活動を行なう傍ら、子供の教育と保護者活動の合理化・IT化に取り組む。一般社団法人「インターネットユーザー協会」代表理事。

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おまえ、そういうヤツだったんか……。GoPro「Creator Edition」にじっくり触って考えた、アクション以外の使い道
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筆者は長いこと動画カメラのレビューを続けている関係で、メーカーから製品発売前に先行レビュー用として商品の貸し出しを受ける機会が多くあります。それはそれで大変ありがたいわけですが、逆に「遅れて発売されるアクセサリ」の貸し出しはほとんどありません。

GoProで以前から販売されている「メディアモジュラー」や「ライトモジュール」、「Voltaハンドルグリップ」はまさにそういう隙間に入った製品であったわけですが、この9月にHERO11が発売されたタイミングで、これらをセットにした「HERO11 Black Creator Edition」が届きました。価格113,260円のところ、GoProサブスク加入で85,000円で購入できます。

▲HERO11 Black Creator Edition

もともとGoProは現在のアクション系カメラの元祖的存在ですので、音声収録やVlog撮影などにはそれほど向いてません。それをいろんなアクセサリで拡張することで、そうした用途にも使っていこうというのが、「Creator Edition」という立ち位置になります。

実際にモノを見るまでは、GoPro HERO11のパッケージと別に、アクセサリのパッケージが付属するものと勝手に思い込んでいたんですが、カメラとアクセサリが1体で収納できるボックスセットになっていました。主な同梱物は、HERO11 Black本体、Voltaハンドルグリップ、ライトモジュール、メディアモジュラー、新開発のEnduroバッテリーとなっています。そのほか、ヘルメットマウントアダプタや交換用バッテリーカバー、ケーブルなども付属します。

▲カメラとアクセサリが全部収納できるボックスセット

まず外部マイクとしてのメディアモジュラーですが、これ外側のハウジングにマイクをくっつけるものだと思っていました。実際は、ハウジングとマイクが一体化。このままでは装着できないので、カメラ本体のバッテリーカバーを外して装着します。

▲マイクとハウジングが一体化している「メディアモジュラー」

▲取り外しできるのはウインドスクリーンだった

カメラのUSB Type-C端子は塞がれてしまいますが、その代わり背面に端子が3つ出てきます。上からMicroHDMI、USB Type-C、3.5mmマイク入力です。外付けでマイクがあるのに、さらに他のマイクも使えるわけです。ハウジングにはコールドシューが2つ付いているので、さらにアクセサリがくっつけられます。

▲MicroHDMI、USB Type-C、3.5mmマイク入力端子が背面に

メディアモジュラーのマイクを使って集音してみました。Vlog的な撮影では、前方の集音は感度および明瞭度も高く、人のしゃべりも自然音も十分対応できます。一方カメラ背後からしゃべるような撮影では、後方に指向性がないのか明瞭度や感度はだいぶ下がります。こうした撮影には、別途ピンマイクを背面端子に繋いだほうがいいでしょう。

メディアモジュラーのマイクを使った集音テスト

ライトモジュラーは、充電式の小型LEDライトです。明るさは3段階に変えられるほか、点滅モードも備えています。稼働時間は最も暗いレベル1で6時間、最も明るいレベル3で1時間。光を拡散するディフューザーも付属します。マウントはコールドシューですので、GoProの電源と連動するわけではありません。もっとも、撮影してなくても明かりは欲しい、ということもあるので、これはこれで正解でしょう。

▲充電式の「ライトモジュール」

▲ディフューザーが着脱できる

日が落ちてから撮影してみましたが、手持ちでの自撮りでは、レベル1の光量でも十分撮影できました。レベル3にしてディフューザーを外せば、1.5m先ぐらいまでは問題なく撮影できるでしょう。ただ自撮りではディフューザーを外すと光源がまぶしすぎるので、長時間の撮影はおすすめしません。

「ライトモジュール」を使った夜間撮影

Creator Editionのメインはこうしたモジュラー類だろうと思っていたわけですが、使っているうちに実は「Voltaハンドルグリップ」がなにげにメインなのかなという気がしてきました。

▲実は多機能な「Voltaハンドルグリップ」

一見ただのリモコンハンドルに見えますが、4900mAhのバッテリーを内蔵しており、GoPro本体バッテリーの3回分ぐらいを賄えることになります。5.3K/30pの動画を4時間以上撮影できるようです。

▲バッテリー充電用のUSB Type-C端子がある

カメラへの給電は、横から生えているカールコードで行います。ただこのコード、かなり腰が強いので、カメラに繋ぐとコネクタ部にかなりの負荷がかかっている模様。このあたりの設計が若干雑な気がします。

▲カールコードのせいで、コネクタが若干曲がっているような……

リモコン部は、カメラとBluetooth接続になります。したがってケーブルを繋いでいなくても、電源連動や録画、モード切り換えといった操作は機能します。

▲リモコン部はBluetooth接続なので、ケーブルを繋がなくても動く

ハンドル部は三脚にもなりますが、このままだとカメラとの角度が合いません。そんなことあるのかなと思いつつよく調べてみると、マウント部の根元が回転できるようになっていました。その場合はリモコン部が正面ではなく横になってしまいますが、どのみち固定して設置するだけですので、操作上はあまり問題にならないかと思います。

▲脚部を開いただけだとこんな形に

▲実はマウント部が回転できる仕組み

グリップの底部には三脚穴もあるので、タイムラプスなど長時間撮影時には丈夫な三脚に固定するといった使い方もできます。また側面に別のGoProマウントも仕込まれているので、ハンドルごと別のGoProマウントを使って何かに固定、といった使い方も可能。

▲ボタン押しで飛び出すGoProマウント

なお、カメラはもうあるんだけど、という方には、アクセサリだけをまとめた「クリエイターキット」も32,100円で販売されています。HERO9 Black以上なら使えるようです。

なるほどこれらのアクセサリを使えば、GoProでも普通のカメラっぽい撮影にも対応できそうだ、ということはわかりました。ただ「油断してると首はもげますね」みたいな危ないことばっかりやっているアメリカ人とは違う世界線に生きている私たちが、そこまでしてGoProじゃないとダメか、というところの答えになるかはわかりません。カメラ選びは、用途をじっくり考えて判断したいものです。

《小寺信良》
小寺信良

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ライター/コラムニスト

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18年間テレビ番組制作者を務めたのち、文筆家として独立。家電から放送機器まで執筆・評論活動を行なう傍ら、子供の教育と保護者活動の合理化・IT化に取り組む。一般社団法人「インターネットユーザー協会」代表理事。

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