Twitter株主、イーロン・マスクとの440億ドル買収契約を承認。10月の裁判控え

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Munenori Taniguchi

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Twitter株主、イーロン・マスクとの440億ドル買収契約を承認。10月の裁判控え

Twitterの株主らは、大富豪イーロン・マスク氏による440億ドルでの買収を承認することを決定しました。

臨時の株主総会で行われた買収の是非を問う投票における承認、非承認の割合は明らかにはされていないものの、Bloombergによれば「火曜日に行われた投票で、Twitter株主の大多数がマスク氏の1株54.20ドルの提案を受け入れることに賛成した」とのこと

マスク氏は現在、Twitterの株式約9.2%を保有する大株主ですが、今回の投票は棄権か反対票を投じたかのいずれかだと思われます。ただWall Street Journalは、マスク氏の意向にかかわらず「他の十分な数(過半数)の投資家が買収を支持していれば、マスク氏による支持は重要ではない」と伝えています

マスク氏はTwitterの買収契約を締結したあとで、この契約を撤回しようとする姿勢に転じました。心変わりの根拠として、マスク氏はTwitterがサービス上のフェイクアカウントやスパムボットの数について正しい値を報告していなかったと主張しています。ただ、Twitterが報告している「収益化可能なデイリーアクティブユーザー(mDAU)のうち、スパムまたはフェイクアカウントなのは5%未満」という推定値に対して、マスク氏はこれまで具体的な反証をしていません。

また、マスク氏はTwitterが契約履行を求めてデラウエア州衝平法裁判所に起こした裁判についても、2023年2月までその開始を延期するよう求めたものの、裁判所はこれを却下。先週もまたマスク氏側は、新たに4週間の延期を求めて裁判所に申し立てを行いましたが、裁判所は「4週間の延期でさえ、Twitterにさらなる損害を損害を与えるリスクがある」として、やはり却下しています。

裁判所のKathaleen McCormick判事は、延期の却下に加えて、マスク氏がTwitterに求められた 文書の提出をきちんとしなかったことについても好ましくないと述べ、マスク氏が提出したテキストメッセージだけでは明らかに義務を果たしておらず、不十分だとしています。

なお、Twitterが最近新たに提出した資料によると、マスク氏とモルガン・スタンレーのグローバルテクノロジー投資部門の責任者Michael Grimes氏とのテキストメッセージのやりとりにおいて、マスク氏が「第三次世界大戦の可能性」から買収契約の撤回を考えていると5月8日に記していることがあきらかになっています。

そしてその少し後、マスク氏はGrimes氏に対し「極めて基本的なデューデリジェンスの項目は、Twitterが主張する日々のアクティブユーザーの95%が実在の人物だということに対して、重複カウントされていないことを確認する方法を正確に理解することだ」と書き、さらに自分のTwitterフィードを見ての推測だとしつつ「もしそれが現実には50%かそれ以下であるなら、Twitterは広告主や投資家に対しTwitterの価値を根本的に誤って伝えてきたことになる」と述べ、「とにかく明確にするために言えば、この取引はデューデリジェンスに合格すれば進めることができるが、(数字に)大きな乖離があるなら、明らかにそうではない」と述べていました。

Twitterによると、これらのテキストメッセージは、買収契約を締結する前にマスク氏がデューデリジェンスの実施を明示的に放棄した数週間後のやりとりだとのことです。

Twitterがマスク氏を相手に買収契約を履行するよう求めた裁判は、デラウエア州衝平法裁判所で、10月17日から5日間の予定で始まることになっています。


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《Munenori Taniguchi》
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