東京ドームシティのお化け屋敷アトラクション『怨霊座敷』が、空間音響とMixed Reality(複合現実)技術を活用したイベント『ボイス・デート ～ 声の恋人 ～』を7月16日より期間限定で開催します。
「お化け屋敷 x 音のAR x デート」の時点で圧倒的出オチ感、あるいは誰でも一瞬で理解できるブリリアントな企画ですがいちおう続けると、『ボイス・デート ～ 声の恋人 ～』はMRスタートアップGATARIが展開する音のMRプラットフォーム Auris とお化け屋敷『怨霊座敷』と組み合わせたアトラクション。
お化け屋敷といえば、グループや親しい相手と一緒に体験してお互いのリアクションを楽しんだり、あるいは吊り橋効果に無理をさせるイメージがありますが、『ボイス・デート ～ 声の恋人 ～』では特定の場所でピンポイントに実在感ある音を届けられる Auris の技術により、むしろ一人でも「キャラクターと一緒に巡っているかのようなドキドキ感のあるお化け屋敷デートを体験」できるとのこと。(同時に二名まで体験可能)。
音声コンテンツは二種類を用意しており、人気声優の梶裕貴が演じる「マサキ」または佐倉綾音が演じる「ユリカ」どちらかのキャラクターを選ぶことができます。
Aurisはスマートフォンのカメラベースのトラッキングとイヤホンを組み合わせたプラットフォームのため、アトラクション側に装置を設置したりMR専用に作り変える必要がなく、『ボイス・デート ～ 声の恋人 ～』の会期中も通常の『怨霊座敷』を引き続き営業します。追加の料金を支払い、受付で音声コンテンツが入ったスマートフォンとイヤホンを借りて装着すると、お化け屋敷の随所で人気声優演じるキャラクターが耳元で話しかけてくれる体験ができる仕組みです。
(青二プロが公開した収録風景)
『ボイス・デート ～ 声の恋人 ～』の料金は一人1500円(通常の『怨霊座敷』利用料850円も込み)。会期は7月16日(土)から9月25日(日)の72日間、時間は10時から22時 (時期により変動、要確認)。
余談。最初に「お化け屋敷のDXを実現」なる案内を見かけたときは、いやいや見せ物やアトラクションは昔から新奇なテクノロジーを使った「仕掛け」と切っても切り離せないし、そもそも怨霊座敷ってあのチームラボが映像演出してるハイテクが売りでしょ、スマホ使います程度で何でもDXDXって言うなよまったく、程度の予断と憶測でうっかりスルーするところでしたが、音のAR / MRを使って「おひとり様の客でもグループ向けイメージのある施設に誘導できる、かつグループ客とも両立できる」と考えれば、来るべきAR時代が楽しみにも怖くもなる、まさにトランスフォーメーションな企画です。
携帯電話やヘッドセットの普及で「一人でブツブツ言っている人」は警戒対象ではなくなり、というより「きっと誰かとスマホで話してるんだろうな」と言い聞かせることで目を逸らしやすくなり、またスマホをかざしてビデオ通話 / 配信相手に自分が見ているものを見せながら、大げさに言えば視覚を共有しながら実況会話する様子も珍しくはなくなりました。
各種のセンサや技術で携帯端末がユーザーの周辺環境をリアルタイムに把握できるようになったり、あるいはカメラつきARメガネ端末が普及したころには、目にするものについて本人にだけ見えているイマジナリフレンドやパートナーと親しく会話しながら歩く人も珍しくなくなりそうです。
Niantic創業CEOジョン・ハンケ氏インタビュー：『現実世界のメタバース』とARの未来(前編)
