アイデアや概念を書くと「実働する機械装置の立体図解」を生成するAI用スキル「Anatomy」が無償公開、商用利用も可(生成AIクローズアップ)

テクノロジー AI
山下(Seamless)

2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を個人運営しています。

特集

1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。

今回は、技術的なアイデアや抽象的な概念、実際の機械装置の説明などから、それらの仕組みを体現した動く立体図解を生成するAIエージェント用の拡張スキル「Anatomy」を取り上げます。GitHubリポジトリはこちら。

Anatomyは、説明したいアイデアや仕組みなどを1行入力するだけで、その仕組みを体現する機械をAIが考案し、動かして触れるアイソメトリック(等角投影)図解として描画してくれるツールです。

▲飛行機エンジンの図解

Claude Code、Antigravity、OpenCode、Codex、MiniMax Codeといった主要なコーディングAIに追加して、MITライセンスで商用・非商用を問わず無償で利用できます。立体的な図解は、HTML、SVG、React/Next.jsコンポーネントとして出力できます。Ryanさんによって開発されました。

Anatomyは、実在する機械だけでなく、抽象的なコンピューターサイエンスの概念やアイデアを図解にしてくれます。例えば、「何も変更がなければ処理をスキップするキャッシュキーの仕組み」であれば、「すべてのピンが揃ったときだけ回る錠」(ピンタンブラー錠)に置き換えて生成されます。

他にも、「LRUキャッシュ」であれば4つの置き場がある本棚、「ブルームフィルタ」であれば3つのリールがハッシュ関数を表すスロットマシン、「ハッシュマップの衝突」であれば郵便局の仕分け机といった具合に、抽象的な概念が具体的な機械へと変換されます。

▲LRUキャッシュを本棚に置き換えた図解

▲ブルームフィルタをスロットマシンに置き換えた図解

▲ハッシュマップの衝突を郵便局の仕分け机に置き換えた図解

AIはこのような立体的な図解を数十~数百個の立体的なパーツから描き起こし、ユーザーがマウスやキーボードで滑らかに操作できるカード型の図解に仕上げます。画面に表示される数値も、パーツを動かしている内部の計算モデルと連動してリアルタイムに変化します。

作成できる図解は、4段階の陰影をつけた基本の「SVG」、炎や水・光の反射などをリアルに表現する「SVG + WebGL」、ダイヤルやロボットの指のようにパーツを立体的に回転させるベータ版の「3Dモード」の3種類です。

▲発電所の発電ユニットを表したWebGL図解

▲石炭炉のWebGL図解

▲CNCガントリー式プラズマ切断機のWebGL図解

▲溶鋼の注湯を表したWebGL図解

▲SpaceXのエンジン「Raptor 2」の図解

品質を保つための自己チェック機能も備わっており、AIは図解を組み立てたあと、パーツ同士が不自然にめり込んでいないか、線が宙に浮いていないかをプログラムで自動的に確認します。


《山下(Seamless)》

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