任天堂は、8535ものGitHubリポジトリーに対するDMCA削除通知を提出しました。
任天堂はこの通知で、開発者向けのプラットフォームであるGitHubに「Yuzuエミュレーターまたはそれに基づくコードへのアクセスを提示・提供する」リポジトリーを発見しており、そこで配布される「任天堂の技術的保護措置を違法に回避し、Switchゲームの違法コピーを行っている」と主張しています。
この通知はGitHubから各リポジトリーの所有者に「コンテンツに変更を加える時間」を提供するために連絡されました。
Switchエミュレーター「Yuzu」の開発者Tropic Hazeは今年3月、「大規模な著作権侵害を助長した」として起こされた任天堂からの提訴に対して、すぐに和解金240万ドルの支払いに応じことを決め、Yuzuの開発、Yuzuのホスティング、ソースコードやそれを用いた機能の配布、Yuzuを宣伝するウェブサイトやソーシャルメディアのホスティング、さらに任天堂の著作権保護を回避するその他の行為全般から永久に手を引くことに同意したと伝えられています。
アップルは先月、App Storeでのレトロゲーム機のエミュレーターに対する制限を緩和し、その配布を解禁しました。これにより、任天堂やその他の往年の人気ゲーム機用ソフトがiPhone上でプレイできる可能性が高まり、エミュレーターアプリのリリースも続いています。
ただ、ゲーム機のエミュレーターアプリを配信する開発者は、そのエミュレーターに含まれる、または追加でダウンロード提供するゲームタイトルに関する権利関係について責任を負う必要があります。したがって現在App Storeで配布されているエミュレーターアプリで使用されるソフトは、オリジナルか、権利を持つタイトルに限られています。
任天堂は、自社の権利を侵害する案件に対しては、エミュレーターに限らず厳しい対応をとることが知られています。たとえばいまから十数年前には、オリジナルのゲームカートリッジなどからゲームを複製する「マジコン」と呼ばれるハードウェアに対し国内だけでなく欧州や台湾、韓国などで続々と権利侵害を訴え、その大半で勝訴していました。
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また2017年には、マリオやルイージなどのキャラクターに扮し、都内の公道をナンバー付きゴーカートで走行するツアーを運営する会社「マリカー」が、自社のゲーム『マリオカート』の略称を使用していることが著作権侵害、不正競争防止法違反にあたるとして訴え、著作権侵害については認定されなかったものの、マリカー改め「MARIモビリティ開発」が行った上告が棄却され、勝利という結果に終わっています。