「Meta Quest 3」はカラーパススルーでMR実現、ヘッドセット被ったままスマホ操作も可能

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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「Meta Quest 3」はカラーパススルーでMR実現、ヘッドセット被ったままスマホ操作も可能

Metaが次世代のコンシューマー向けVRヘッドセット「Quest 3」を準備中であることは、マーク・ザッカーバーグCEOが自ら明かしていることです。

価格は300~500ドル、2023年以降に発売。つまり現行のMeta Quest 2とさほどお値段が変わらず、おそらく次のMeta Connectイベント(毎年10月が恒例)で正式発表とみられています。


もちろん公式にはそれ以上の情報は出ていませんが、VR関連リーカーBrad Lynch氏が、リークされたCADファイルを元にしたという予想レンダリング画像を公開していました。このCADの情報提供者はMetaに突き止められたと報じられ、後にLynch氏が釈明した一幕もありました。


このMeta Quest 3を、アップルのインサイダー情報で知られる著名ジャーナリストが実際に試用したとして、詳細な情報を伝えています。

BloombergのMark Gurman記者が連載するニュースレター「Power On」最新号によると、その開発コード名は「Eureka」。先代のQuest 2よりもはるかに「軽くて薄く感じられ」、長時間被っていても快適だと述べています。

また前面には縦長のピル(錠剤)状センサーエリアが3つ並んでおり、左右にはそれぞれカラービデオパススルーカメラと標準カメラを、真ん中にはQuest初となる深度センサーを搭載。

パススルーカメラとは、周囲の現実世界を着用している人に見せるためのもの。Quest 2にもあるものの(コントローラーや障害物の場所を確認する程度)白黒でしたが、Quest 3ではカラーとなるわけです。

そしてQuest 3では、パススルーが複合現実(MR)の中核となる見通し。具体的にはRGBのデュアルカラーカメラを使うことで正確に色を表現しており、Quest 2ではほぼ不可能だった「ヘッドセットを装着したままスマホを操作」もできるそうです。

ガーディアン設定が不要に?

深度センサー搭載により、「環境メッシュ」と呼ばれる機能が実現され、周囲の壁をが動的に識別するため、手動でのガーディアン(プレイエリアの設定)設定が不要に。本機能は「スマートガーディアン」と名付けられ、ヘッドセットを着けたまま家の中を歩き回れるとの噂話もありました

さらに前面の下側にはトラッキングカメラ、底側にはボリュームロッカーと瞳孔間距離(IPD)を調整するホイールが。すなわちQuest 3では、Quest 2ではできなかった「ヘッドセットを被ったままIPD調節」ができることになります。

Quest 3の画面解像度が高くなったとの噂もありましたが、実際に見てみるとQuest 2と同じように感じられるとの報告。もっともMRアプリのパススルーと全体のパフォーマンスがQuest 2よりも大幅に改善されていると述べています。

これはクアルコムの最新チップセット「Snapdragon XR2(第2世代)」によるところが大きいらしく、アプリの起動時間も短縮され、ゲームスピードも格段に向上していると付け加えています。現行のQuest 2はゲームのフレームレートが安定しなかったり、時として落ちることも珍しくはないので、非常に有り難いアップグレードと言えそうです。

もっとも、今回のレポートではプロ向けモデルMeta Quest Proにあって、Quest 3に「ない」ものも指摘しています。

それはフェイス(表情)トラッキングとアイ(視線)トラッキングが搭載されず、フォービエイティッド・レンダリングにも対応していないということ。フォービエイティッド~とは「ユーザーの中心視野ほど高解像度に描き、視野の外に行くほど解像度を落とす」ことでシステムへの負荷を下げる仕組みであり、アイトラッキングとセットのため、ないのは当然でしょう。

またQuest 3用ハンドコントローラーはQuest Pro用にデザインを近づけつつ(上部の大きなリングがない)内蔵カメラはなし。よってコントローラーの位置が判断しづらいため、他の方法でトラッキングの改良を行う予定だそうです。

Quest 3の価格はまだ決まっていないものの、開発に携わった匿名人物によると、Quest 2の400ドルよりも高くなるかもしれないそうです。その一方でGurman氏は第2世代のQuest Proは「最初のバージョンが爆死した」ため当分は出ないと不穏な観測も付け足しています。

そして発売時期が噂通り10月という見解は、複数の情報源からの話や、上記のザッカーバーグCEOの発言とも符合しています。

アップル初のヘッドセットが6月に発表、Meta Quest 3が10月発表。そして前者の予想価格が3000ドルであり、後者はその5~6分の1程度となる見通しです。

そうした予想を元に、Gurman氏は「Quest 3は、今年のホリデーシーズン(年末商戦)、特にXR(AR/VR/MRを総合した概念)が消費者の関心の的となる中で、大きな話題を呼ぶ可能性がある」と締めくくっています。つまりアップルがXRに世間の注目を集め、その恩恵をMetaが享受するという、なんとも皮肉な結果を予想している模様です。

《Kiyoshi Tane》

Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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