更新:イーロン・マスク、Twitterの後任CEOを決定。6月中にも就任の見込み

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Ittousai

テクノエッジ編集長。火元責任者兼任 @Ittousai_ej

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更新:イーロン・マスク、Twitterの後任CEOを決定。6月中にも就任の見込み

Twitterを運営するX社の最高経営責任者イーロン・マスク氏が、CEO職の後任となる人物を雇用したことを明らかにしました。

氏名は明かしていないものの、その女性は6週以内にも新CEOに就任する予定。

CEOを退いたマスク氏は、以降Executive Chairman(会長)およびCTO(最高技術責任者)として、Twitterのプロダクト、ソフトウェアおよびシステムオペレーションを監督します。

イーロン・マスク氏がTwitterを買収したのは2022年10月。直後の大量解雇や数々の方針変更で話題を集めました。

12月に突然施行した「競合SNSにリンクしたら凍結、アカウント名を画像で載せるのも禁止」なる新ルールが批判を受け撤回したことをきっかけに、「今後の重要な決定事項はTwitter投票にかけて結果に従う」と述べ、直後に自身の進退について投票を募っていました。


結果は57.5% vs 42.5%で「辞めるべき」。マスク氏はこの結果に従い、後任が見つかりしだい退くと明言していました。


後任の決定に約5か月を要しましたが、ついに有言実行するようです。

なお、進退をTwitter投票にかけて「辞めるべき」が上回ったこと、結果に従うと述べたことは事実ですが、投票で退任を決意したわけではなく、それ以前から投資家に対して、また法廷での証言で、CEO職は一定期間のみ務めて他に譲る意向を示していました。

自らの進退を問うTwitter投票を実施したマスク氏の内心は本人にしか知りようがありません。しかし、仮に「辞任すべきではない」が上回れば、自分はただ買収して私物化したのではなく「民意」に従っているのだと示すことができます。

一方、実際そうなったように「辞任すべき」が上回ったとしても、以前からの計画であるうえに、「潔く結果に従う」の演出になるという、どちらに転んでも困らず注目は集められる策だったとは言えます。

最高技術責任者として「プロダクト・ソフトウェア・システムオペレーション」を監督するとの表明は、経営からは離れるといったニュアンスにも読めますが、マスク氏は一般的な雇われCEOとは違いTwitterのオーナーであり、意向に反したCEOはいつでも解雇できるため、実質的な最終決定がマスク氏にあることは変わりません。

新CEOがマスク氏を納得させつつ、新たなTwitterの顔として新機軸を打ち出し成功する可能性ももちろんあります。

ただその場合でも、Twitter (X社) はマスク氏による買収手続きに伴う莫大な借入金が経営を圧迫していること、「認証済み」なりすましアカウントなどの混乱で多くの広告主が離れたことなどから、新CEOにとってはかなり厳しい条件でのスタートです。

追記:WSJは、NBCUniversalのLinda Yaccarino氏が後任として交渉中であると伝えています。

NBCUniversalでの役職は「Chairman, Global Advertising and Partnerships」。広告とパートナーシップという、Twitterが企業との関係性を修復強化し収益を改善するためにはもっとも必要な部分の経験者ではあります。

4月のイベントPossibleでは両者が登壇していました
《Ittousai》
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