実写映画『テトリス』Apple TV+で配信。ライセンス獲得めぐる実話、SF超大作案は立消え

ゲーム Nintendo
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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1980年代末から全世界を席巻した『テトリス』の実写映画が、まもなくアップルの動画ストリーミングサービス Apple TV+で配信が始まります。

テトリス公式アカウント自らが告知しており、まず3月10日~3月19日のSXSW 2023(世界最大級のカンファレンス&フェスティバル)で先行上映。その後にApple TV+にやって来る予定です。

本作はオランダ生まれのヘンク・ロジャース氏がゲームボーイ版『テトリス』の権利を取得するために奔走した実話を元にした作品です。もっともアップルは2020年に映画の制作を発表済みであり、今回は「続報」となります

なお『テトリス』ゲーム本編、空からブロックが降ってくる内容そのものを実写化したSFスリラー作品は数年前、当時8000万ドルもの予算を確保して制作スタートしたはずでしたが、その後に音沙汰がありません。プロデューサーのローレンス・カサノフ氏(1995年版『モータルコンバット』実写映画など)は「予想も付かない映画になる」と言っていましたが、ご本人もこの展開は予想もしてなかったのかもしれません。

またApple TV+公式サイトではロジャース氏のことを「アメリカのビデオゲームセールスマン」と非常に雑な説明をしていますが、ロジャース氏は日本滞在中にゲーム会社BPSを創設し、ファンタジーRPG黎明期の傑作『ザ・ブラックオニキス』を送り出した著名なゲームクリエイターです。

ロジャース氏はオランダやニューヨーク、ハワイに日本など世界各地を転々として語学も交渉術も達者だったこともあり、当時は鉄のカーテンの向こう側にあって謎に包まれていたソ連に渡り、口八丁と手探りで「テトリス」開発者のアレクセイ・パジトノフを突き止める離れ業を成し遂げたことで知られています。

もっとも、ロジャース氏がゲームボーイ版『テトリス』のライセンスを得られた結果として、いろいろあってメガドライブ用『テトリス』が発売前にお蔵入りになったことは、セガユーザーにとっては長年にわたりトラウマとなっていました。

そんなロジャース氏は『キングスマン』や『ロケットマン』のタロン・エガートン氏が演じ、パジトノフ役はTVシリーズ『ロンドングラード』出演や舞台俳優として知られるニキータ・エフレーモフ氏とのことです。


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《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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