それなりに美味しいのだろう。そんな風に思いながら試飲してみると、想像を超える味わいに思わず”うまっ”と、米ラスベガスのCES 2024会場でかなり大きな声を出してしまった。
抽出カップに植物由来の素材を入れ、さらに水を注いでおく。その周囲を覆うカバーを取り付け、カバー内を真空にする。すると10分後、カップの水に素材から滲み出た成分が抽出される。
このドリンクを口にすると、そこには経験したことがない、豊かな香りが顔の中いっぱいに広がり、甘くふくよかなイメージが脳内に拡がっていく。
最初に試したのは薔薇の花が持つ風味を生かしながら、ハーブやドライフルーツをブレンドしたもの。甘く豊かに口の中に広がるのだけど、よくよく味わってみるとさほど”甘い”わけではない。
ほんのりとした甘味の中に、豊かな香りが広がり、微かな甘さを引き立たせるイメージだ。植物からの高速抽出ということで、苦味や酸味が強い味を想像していたら、想像だにしない柔らかな風味に驚かされる。
これは水に圧力をかけて素材に通していないからだ。ドリンクに滲み出る成分は、素材に水を通すことで抽出されるのではなく、周囲の圧力が下がることで自然に水の中に出てくる。このため雑味成分が混じってこないのだ。
CES 2024の中でも世界各国から小規模なハードウェアスタートアップが集まるEuleka Parkで、こんなに上質な癒し美味し体験を提供していたのは「COLDRAW」という製品。開発したのはSober Experience Studioという日本のオープンイノベーションプロジェクトだ。
"プロジェクト"と表現しているように、この製品は(アルコールが飲めないわけじゃないけれど)健康やより高い嗜好性を求めてノンアルコールのドリンクを選ぶ"ソバーキュリアス"という近年の食文化ムーブメントを背景に、sPods、JT(日本たばこ)、MAVO∞、REDDといった企業が集まって開発したもの。
世の中には数多くの様々な嗜好性の高い飲料があるが、その多くは"アルコール飲料"だ。とりわけ食事に合わせ、より美味しく料理をいただくための飲料というと、簡単に入手できる選択肢は少ない。
大抵の場合、ナチュラル素材は少なく、添加物多め、味付けは砂糖(あるいはノンカロリーの甘味料)を加えて仕上げる大量生産の清涼飲料水となる。COLDRAWならば植物由来の茶葉、ハーブ、花、コーヒー豆、ドライフルーツなどから、素材本来の色や香りを生かしたドリンクを10分という短時間で作り出せる。
抽出量は抽出カップの大きさに依存していて、どのサイズでも時間は同じとのこと。世の中には真空状態での抽出を行う製品は他にも存在するそうだが、0.03気圧というほぼ真空状態を作れることなどが特徴らしい。短時間で作れるから、料理に合わせて複数レシピを用意しておき、提供時間に合わせて提供できる。
そんなCOLDRAWは、CES 2024でフードテック部門のイノベーションアワードを獲得した。誰かに知ってほしい! と記事を書き始めたが、いくら言葉を尽くしても、この製品から生まれる至福の体験は伝わらない。
ということでSober Experience Studioさんにお願いして、『CES 2024報告会&テクノエッジ新年会』に参加していただくことになった。参加者はもれなく楽しめるので、ぜひ期待して欲しい。
なお製品としてのCOLDRAWは現在、どのように市場にデビューさせるのかを検討中とのことだが、缶入り飲料の流通が年内にはスタートするようだ。ただし味わいは少しばかり変化してしまう。それだけに、是非とも抽出したてのドリンクを飲みに、イベントへ参加していただければ幸いだ。
1月19日(金)に都内で開催するリアルイベント『CES 2024報告会&テクノエッジ新年会』では、Sober Experience StudioからCOLDRAWを出展いただきます。会場にてお試しください。
CES 2024報告会&テクノエッジ新年会は、日本を代表するテクノロジージャーナリストの西田宗千佳 氏・本田雅一 氏・弓月ひろみ 氏をお招きし、CES 2024の現地取材で得た知見をお伺いするイベントです。トークセッションのあとは、懇親会を兼ねたテクノエッジ新年会もあります。
お申し込みはこちら「テクノエッジ新年会&CES報告会 2024 | Peatix」CES 2024報告会&テクノエッジ新年会はご飲食代を含む会費をいただく有料チケット制イベントですが、テクノエッジの有料会員コミュニティ テクノエッジ アルファご加入のかたは無料で参加できます。
テクノエッジ アルファ会員には限定Discordコミュニティへの参加権のほか、交流イベントやオンラインのAIセミナー、過去イベントのアーカイブ視聴、グッズの優待販売などの特典があります。この機会にぜひ入会をご検討ください。