テスラが空飛ぶクルマ「ロードスター・ロケット」実演、イーロン・マスクいわく「楽しさは10点満点中11点」 逆さに貼り付く吸引ファンも搭載

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テスラが次世代スポーツカー「Roadster」をテキサス州のSpaceX試験場で公開しました。

最上位構成の「Roadster Rocket」は車体周囲に10基の圧縮空気スラスターを備え、短時間ながら飛行や空中での姿勢制御が可能。

会場ではC字型のランプから逆さまに飛び出したのち空中で一回転、ホバリングして着地を実演しました。

■ 10基のスラスターから圧縮空気を噴出、跳躍と姿勢制御

最初のデモでは、白いRoadster Rocketが湾曲した巨大なランプを駆け上がり、車体下のファンで吸い付いたまま逆さまの状態に。さらに空中に飛び出し、スラスターで宙返りしたのちホバリングして着地する様子を見せました。

続く2回目のデモでは、サイバートラックなどテスラ車を並べた列を自力でジャンプして跳び越えながら空中で横回転して着地。

デモ車は無人で、事故を避けるため自律走行にしているとの説明です。加速の実演では、0-60mph(約97km/h)を0.81秒で走行。イーロン・マスクは、市販モデルはこれを上回ると述べています。

■ 炭素繊維強化圧力容器に600L・250kgの空気を充填

Rocketが搭載するのは、燃料を燃やすのではなく、高圧の空気を噴き出して推力を得る「コールドガススラスター」。SpaceXの技術を取り入れ、両社のエンジニアが共同で開発しました。

空気は炭素繊維を巻いて強化した圧力容器(COPV)2本に計約600リットル、約250kgを充填し、ノズルは10基。

テスラによれば、後部メインスラスター4基の噴射は音速を超え、推力は80kN超。電動アクチュエーターで噴射を調整し、飛行中の姿勢を制御します。

イーロン・マスクによれば、姿勢制御用のスラスターと後部のメインスラスターで、ロケットのように飛んだり回転したりできる構造。タンクは車両自体が再充填でき、特別な推進剤は要らないとしていますが、充填にかかる時間は示していません。

飛行デモ後のイーロン・マスクのコメントは、「一応言っておくと、必ずしも安全性に最適化したクルマではない」「楽しさは10点満点中11点。」

■ 2017年の予告から9年

今回公開された2代目Roadsterは、2017年11月のテスラ・セミ発表会で試作車として公開されたのが初登場でした。

当時は4人乗りで、0-60mph1.9秒、最高速度250mph超、航続距離620マイル(約1000km)をうたい、2020年発売、価格20万ドルの予定。

その後は延期を重ね、デモの予定も2025年内から2026年4月、8月、10月1日と変わり、とうとう実現したのが今回のデモです。

■ 公道向けはPerformance、飛ぶRocketは「招待制」

新型ロードスターは基本の「Performance」モデルと、テスラが拡張(Augments)と位置づける「Thrust」「Rocket」の3構成を用意します。

・Performance:2人乗り。アクティブエアロと吸引システムを搭載し、0-60mph1.6秒未満。予約制

・Thrust:2人乗り。後部のコールドガススラスターで0-60mph0.9秒未満。限定販売

・Rocket:1人乗り。車体周囲のスラスターで飛行に対応し、0-60mph0.59秒未満、最高速度230mph(約370km/h)超。招待制

航続距離は300マイル(約480km)超。2017年の発表値と比べ、加速は大きく縮めた一方、航続距離は約半分、最高速度も下がり、座席は4人から最大2人に減りました。

テスラはPerformanceを「road ready」、Thrustを「race ready」、Rocketを「air ready」と表現しています。

Rocketの製品説明には、当然というべきか「公道走行は許可されていません」の注記つき。すべての地域で合法かはわからないが、実際に所有できる車として売り出すとマスクは述べており、大富豪なり企業にデモ用途として販売する可能性は残す意向のようです。

■ 全車種搭載の吸引ファンは実用仕様

圧縮空気スラスターはThrust と Rocket のみですが、「マルチモードファンシステム」は3構成すべてに搭載します。

マルチモードファンシステムは車体下の空気をファンで吸い出し、車体を路面に押し付ける仕組み。ファンにより最大2G分のダウンフォースを得ることができ、上下逆さまの状態で水平面に貼り付くことすらできます。

イーロン・マスクいわく、実際に逆さまに張り付く機会は少ないとしても、サーキットや普段の走行でのコーナリングに有効な技術。

ファンで車体を吸い付ける技術自体は前例があり、1978年のF1マシン「ブラバムBT46B」や、市販車のゴードン・マーレイ・オートモーティブ「T.50」などが実際に搭載しています。

レース仕様構成のThrustもコールドガススラスターを搭載しますが、こちらは後部に吹き出して急加速を得ることが目的です。

■ 価格は未発表、生産開始は2028年予定

最終的な車両価格は未発表。予約金は、米国のPerformanceが当日5,000ドルと10日以内に45,000ドルの計50,000ドル。日本では当日68万円と10日以内に614万円の計682万円で、左ハンドル仕様のみです。

Rocketは招待制で、予約金の表示もなし。

生産開始についてマスクは2028年と述べたものの、納車時期や地域ごとの提供時期は明らかにしていません。

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