「CEATEC 2026」が10月13日、幕張メッセで開幕しました。CEATECは電子情報技術産業協会(JEITA)が主催するデジタルイノベーションの総合展示会。
フィジカルAIロボットの実機デモや国内外のスタートアップの新技術、多彩なカンファレンスなど、最新の技術を間近で体験できます。
会期は16日までの4日間。入場は無料ですが、事前登録が必要です。開催に先立ち、「CEATEC AWARD 2026」の総務大臣賞、経済産業大臣賞、デジタル大臣賞、優秀賞など、計13件の受賞者を発表しています。
■ 今年のテーマは「Transformation」、821社が参加
CEATEC 2026のテーマは「Transformation」。国内外から参加する企業・団体が、展示やカンファレンスなどを実施します。
出展は821社・団体で、前年の810から増えました。うち初出展は338社・団体(41%)。スタートアップと大学・研究機関は、2014年に記録を取り始めて以来で最多の246社・団体。海外からは31の国・地域の194社・団体が参加し、前年の156から約24%増えました。
来場者の見込みは11万人超。2025年の実績は98,884人でした。
■ フィジカルAIから量子計算まで
展示は一般展示(ホール4~8)、X(Transformation)パーク(ホール4~6)、ネクストジェネレーションパーク(ホール4)、グローバルパーク(ホール4~5)の4エリア。
公式サイトが「今回のCEATECイチオシエリア」と紹介するXパークは、AI、パートナー(共創)、ウェルビーイング、社会インフラ、R&D/戦略、産業変革、エンターテインメント、サステナブルの8テーマで出展者を並べています。
AIテーマの出展は38社・団体で、Preferred Networks、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、安川電機などが並びます。主催者企画のパビリオンは、暮らしのDX、海洋デジタル社会、宇宙共創、デジタル交通社会の4つ。
コンファレンスは5テーマで、セッション数は200超。聴講には来場の事前登録と聴講予約が必要です。座席に空きがあれば、予約なしでも聴講できます。オンラインセッションは13本で、うち12本は10月30日まで視聴できます。
コンファレンス・セッションの例を挙げれば、
初日13時から:JEITA会長の新野隆氏と日本自動車工業会(自工会)会長の佐藤恒治氏が「日本の未来社会に向けて」をテーマに対談します。
初日16時から:「フィジカルAIにおける産業競争力と日本の勝ち筋」と、AVITA、Fairy Devices、Booster Roboticsの3社が実機デモを交えて登壇する「フィジカルAIを現場に根付かせるには」開催
二日目の14日(水)16時から:スマートホームの標準規格「Matter」とスマートキーの新規格「Aliro」を取り上げる「AIホーム時代の幕開け」。
16日14時15分から:IBMの超伝導型とQuantinuumのイオントラップ型、2種類の量子コンピューターを「富岳」などのスーパーコンピューターと統合した「JHPC-quantum」を紹介します。
併催のジャパンモビリティショー ビズウィーク2026は、ホール2~3で同じ会期に開催。事前登録も共通です。
■ 総務大臣賞は三菱電機の「フィジカルAIの「耳」TUSS技術」
CEATEC AWARDは、政府と連携したCEATEC独自の表彰制度。2011年の創設から今年が16回目で、関係学会と専門メディアで構成する審査委員会が審査します。
受賞は大臣賞3件、優秀賞3件、各賞7件の計13件。このうち4件がフィジカルAIにかかわる内容です(三菱電機グループ、村田製作所とメルトインターフェーステクノロジーズ、アマゾンウェブサービスジャパン、zeteoh)。
▲ 総務大臣賞

タイトル:フィジカルAIの“耳”:多様な現場の音から、異常音も人の声も聞き分ける「タスク汎用音源分離技術(TUSS)」
受賞者:三菱電機グループ(一般展示、ブース8H412)
概要:分離したい音をプロンプトで指定すると、マイクで収音した混合音から目的の音を取り出す技術。音声分離、音声強調、機械音の分離など、用途ごとに別のモデルが必要だった処理を単一のAIモデルで担い、複数のマイクに頼りません。ロボットや監視機器、産業機械への利用を想定しています。
▲ 経済産業大臣賞

タイトル:スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー
受賞者:TDK(一般展示、ブース5H261)
概要:微細なナノ構造で光の反射方向を制御するミラーを使い、VRD(網膜に映像を投影する方式)のスマートグラスで必要だった大きな曲面ミラーを、レンズに埋め込める薄く平らなミラーに置き換える技術。
対面から見える虹模様を抑え、高価な導波路に頼らない光学系で、通常の眼鏡に近い見た目を実現しています。
▲デジタル大臣賞

タイトル:「ハーモナイズドソサエティ」の実現を支えるAIソリューション群「HMAX by Hitachi」
受賞者:日立製作所(一般展示、ブース7H010)
概要:日立が日本企業発でグローバルに提供する社会インフラ向けのAIソリューション群。鉄道、電力、産業、金融などの分野をAIとデータでつなぎ、運用、保守、制御、意思決定を高度化します。現場データの分析にとどまらず、実際の運用や制御に反映して継続的に改善する点が特徴。
▲優秀賞

タイトル:排水レス循環型洗濯システム「トリプルフリーランドリー」
受賞者:シャープ(一般展示、ブース5H340)
概要:洗濯排水を独自のフィルターでろ過し、洗濯に適した水として再生して繰り返し使う洗濯システム。小型で、給排水設備のない場所にも設置可能。給排水が使える環境では通常の洗濯機として、災害時の避難所などでは循環モードで使えます。

タイトル:Physical AIの“データの入口” ― 人の手指動作を高精度に捉え、AI・ロボットへつなぐハンドトラッキンググローブ
受賞者:村田製作所、メルトインターフェーステクノロジーズ(一般展示、ブース7H340)
概要:メルトインターフェーステクノロジーズのグローブ「ContactGlove3 Pro」に、ムラタ独自の小型・高感度LFアンテナを搭載。電磁場(EMF)方式で、外部カメラなしに5本指の動きを追跡します。8時間以上連続で動作し、取得したデータをロボット学習や遠隔操作、技能継承に使えます。

タイトル:においセンシング x AI で挑む「がん」の早期発見 ~兆しを嗅ぎとる0次スクリーニング~
受賞者:太陽誘電(一般展示、ブース8H030)
概要:尿中の成分の変化を、独自のQCMセンサーと感応膜、AI解析で捉えるスクリーニング技術の提案。体を傷つけず、リアルタイムで測ります。主催者の講評では、診断の代わりではなく、症状が出る前に受診を促すことを狙うサービスと位置づけています。
▲各賞(7件)
・イノベーション賞:プロセス全体最適化プラットフォーム(アイクリスタル、ネクストジェネレーションパーク、ブース4H019)。
・イノベーション賞:外科手術支援のための視覚・言語統合型AI基盤モデル~手術の文脈を理解する、次世代Surgical AI~(Direava、一般展示、ブース5H440)。
・グローバルイノベーション賞:NoorNation for Renewable Energy(NoorNation、グローバルパーク、ブース4H501)。

・トランスフォーメーション賞:AIエージェントがロボットを育てる ― 一行の指示から実機までをつなぐPhysical AI自律R&D基盤(アマゾンウェブサービスジャパン、Xパーク、ブース4H535)。
・ネクストジェネレーション賞:常識を覆す新素材×超高速「熱」検知技術で世界の市場を切り拓く(TopoLogic、ネクストジェネレーションパーク、ブース4H141)。東京大学発のスタートアップで、トポロジカル材料を使った熱流束センサー「TL-SENSING」を開発しています。
・ネクストジェネレーション賞:TRAILS ― スマホのみでGPSの届かない場所でも位置測位できる空間AI(zeteoh、ネクストジェネレーションパーク、ブース4H242)。
・モビリティイノベーション賞:雪国の危険・重労働を無人化する国産陸上ドローン「除雪ドローン®」(エバーブルーテクノロジーズ、ジャパンモビリティショー ビズウィーク会場内ホール3、S-51)。
■ CEATEC 2026 開催概要
・会期:2026年10月13日(火)~16日(金)、10時~17時
・会場:幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)
・入場:無料(全来場者がオンラインで事前登録。登録するとQRコードで入場できます)
・主催:電子情報技術産業協会(JEITA)、共催:情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、ソフトウェア協会(SAJ)
・併催:ジャパンモビリティショー ビズウィーク2026(ホール2~3)









