テスラ車からDisney+アプリ消えた報告相次ぐ。広告引き揚げにマスクCEOが報復?

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

テスラ車からDisney+アプリ消えた報告相次ぐ。広告引き揚げにマスクCEOが報復?

先週末より、テスラの車載システムからディズニーのストリーミングアプリ「Disney+」が消えたと複数のユーザーが報告しています。

またEVニュースメディアのelectrekは、テスラが先週Disney+に対して、テスラシアターからアプリを削除すると通知したという情報筋の話を報じています。さらに数日後、テスラはDisney+に「これまで一度もアプリを使ったことのないオーナーのみアプリを削除する」と伝えたとのことです。


たとえばXユーザーのTheTeslaHoe氏は「テスラ車からDisney+が削除された。これはディズニーがXへの広告を停止したことへの報復だと考えている」とポスト。

ディズニーにとってテスラの車載システムからアプリが消えることは大した痛手にならない一方で、子供に車内で動画を見せていた母親である自分のようなテスラ車オーナーのほうがよほど困ると述べています。

(投稿へのコミュニティノートは、すべてのテスラ車から消えたわけではない、ブラウザから見られると補足する内容)

その一方で、テスラ車の中でもアプリが消えたものもあれば、アプリが残り続けているものもあると報告するユーザーもいます。

この事態はディズニー社に対して、テスラのCEOでありX(旧Twitter)オーナーのイーロン・マスク氏が反発を強めるなかで発生しました。

発端は今年11月、マスク氏がX上で、白人至上主義者のあいだで広がる反ユダヤ主義の陰謀論ツイートに同意したことで、ディズニーやアップルなど大手広告主がXへの広告出稿を停止した一件に遡ります

マスク氏は広告を停止した大手クライアントを非難。「誰かが広告やお金で僕を脅迫するつもりなら、勝手にしろ」とした上で「ボブ、分かったか?もし君が客席にいるなら、それが僕の気持ちだ」と特にアイガー氏を名指していました。NY Times主催のイベントでは、マスク氏は放送禁止用語を連発してディズニーのアイガー氏を罵倒しています。

また今月初めにもマスク氏はXにてアイガー氏に言及し、「即刻クビにするべきだ」創業者のウォルト・ディズニーは今ごろ墓の中でのたうち回っているだろう、と述べていました。

自社ブランドが差別発言等と並べられるリスクを懸念してX / 旧Twitterから広告を引き揚げる動きは、今回のマスク氏による反ユダヤ主義陰謀論同調が初めてではありません。

マスク氏が旧Twitterを買収して以来、以前は本人確認の印だった青いチェックマークを有料販売したことでなりすましが急増した事件や、暴力の扇動でTwitterから追放されていた著名な反ユダヤ主義陰謀論者を凍結解除した件などで、リスクを嫌った広告主が広告を引き揚げた例もあります。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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